茶道の目的もしくは手段の一つに「茶会」なるものがあります。
まあいってみれば、趣向を凝らして客を呼び、料理や抹茶でもてなす、
というもので、要は来た客に、いかに満足して帰って頂けるかを
第一義に考え(ているのだと思い)ます。
さて、一口に茶会といっても たった一人の客を招待するという手厚い
ものから、 数人、数十人、果ては千人もの客を呼ぼうという気の遠くなる
ようなものまであるようです。
千人はともかく、数百人程度の客を想定した茶会は一般に「大寄せ」と
呼ばれ、最近はあちこちで盛んにおこなわれて(いると聞いて)います。
前置きが長くなりましたが、今回はこの「大寄せ」についての話です。
例えば500人もの客を呼ぼうとなると、茶会に5時間かけたとしても、
1時間あたり100人、1分あたり1.7人程度。一人あたり36秒という
計算になります。
これでは、菓子をふた口くらい齧った直後に抹茶を一気飲みしないと
とても間に合いません。
さらに、部屋に出たり入ったり、荷物を預けたり、金を払ったり...と、
どうやっても無理なような気がしますが、不思議なことに、この程度の
大寄せは決して珍しくはない(とのこと)です。
実際には、ひと部屋に20人も30人も詰め込まれ、次々に抹茶が
運ばれて来るのを、 皆、遅れないように必死になって飲んで、
用がすんだらぐずぐずせずにさっさと帰ってくるために、なんとか計算が
成り立っているようです。
一体何のためにこんな茶会が行われているのか...
自他共に認める茶道の素人たる小生には、さっぱりわかりません。
さて、そんな実態を露知らぬ頃、
小生も(用心棒と一緒に)勇んで大寄せに出かけました。 (つづく)
コメント
[…] う~ん、36秒ルールはやっぱり厳し過ぎる。 一気飲みと大差ありません […]
[…] そんなことをしている間にも1人36秒の持ち時間はどんどん過ぎてゆきますので[…]