そもそも、何故大寄せなどに行く気になったかというと、
<佐喜知庵の魔王>の一件以来、多少なりとも茶道に興味が湧いた小生は、
それでは、もう少し茶道について詳しく調べてみようということで、さっそく
行きつけの図書館へ出かけ、「茶道入門」「客の心得」なぞという本を
一杯借りてきました。
でも、なんだか同じようなことばかり書いてあるかと思えば、いろんな
流派によって違った作法があったりで、解ったような 解らぬような...。
もっとも、こちらも例えば資格試験を受けようとして勉強するのとは違い、
寝る前に漫画などを読む代わりに「客の心得」を読もうというのですから、
それこそ心得違いというもので、こんなことで茶道が解ったら大変です。
いずれにしても、いつまでも本を前にして抹茶を飲むふりをしていても
ちっとも面白くありませんから、ともかく実戦を経験したくなるのは、これ
自然の流れといえましょう。
実戦とはいっても、最初からヴェテランの集まる茶会に出かけるのは、
まわりに迷惑をかけそうですから、まずは大寄せ、ということになります。
この、「まずは大寄せ」というのが、大寄せの存在理由の一つでもある
らしく、初心者は等しく、まずは大寄せへ出かけるようです。
ちょうどカミさんが知人に頼まれて買った大寄せのチケットがあったので、
晴れて小生の茶会デビューとなりました。
もちろん、まだ一人では心許ないので、用心棒付きです。
(写真は本文とは関係ありません)
さて、会場に到着してみると...、 どうも 気に入りません。
仮にも茶会ですから、詫びた佇まいの屋敷とか奥深い庭園などという
イメージでやってきたわけですが、 これはただの大きなビルです。
いやいや、きっとこの中には、侘び寂びの仕掛けが一杯あるに違いない。
中へ入ると、人は一杯いましたが、仕掛けは何もありません。
つまり、単なるオフィスビル(のようなもの)の3階です。 (つづく)