例えば、フルコースのフランス料理を食べるにあたってのマナーとか
手順とかいうものも、よく耳にします。
(冨士屋ホテルHPより)
しかし、右足から出て左足で回って... などという細かい指示や、
お辞儀はこのくらいの角度でしろだの、持ち物はこれこれを用意しろ
だのと、まるで小学生に対する注意書きが並んでいるようなものは、
茶道でしかお目にかからないでしょう。
いや、それには一々わけがあり、そうしないと他の人に迷惑だから、
とか、器を傷つけるから_ と言われるかもしれません。
でも、それはフランス料理でも同じはずです。
これが、茶道の稽古の一環としての茶会の出席ということであれば、
小生が口をはさむ余地はありません。 稽古であれば、指の向き一つ
にも注意を払う、などということも必要でしょう。
しかし、先に書いたような注意書きは、素人向けの本に、もし茶会に
招かれたならば_ として書いてあるのです。つまり最低限これだけは
知っていなければ、出来なければ、茶会に出ることはできない_ と
言うわけです。
亭主側の作法は、茶道の型どおりされればよいでしょう。 それこそ、
部外者が口をはさむものではありません。
またそれに合わせて、習い覚えた作法で、いわゆる「あうんの呼吸」
を楽しむ茶道関連の出席者がいてもよいでしょう。
しかし、茶会に招かれた者はすべて、茶道の正しい作法で振舞うのが
当然であり、それができぬ者は出席を遠慮すべきである_ というような
考え方に、小生は(素人として)疑問を呈しているわけです。
これは、「おもてなし」? ですか...?
結局のところ、茶事(茶会)は「ドラマ」か「もてなし」か、というところが、
問題になるのではないだろうか。
つまり、小生がまわりを見渡したところ、ほとんどが「ドラマ」の部分に
力を入れた茶会であり、演技の素人は出席できない_ もしくは、出席
したならば、他の出演者に大層迷惑をかける_ というようなものです。
(小生の周りが、茶会の平均的状況かどうかは不明ですが)
それが茶会というものだ_ と言われれば、返す言葉も有りませんが、
もっと、 こう... たとえこちらが素人でも、何も作法を知らなくても、
ハンカチしか持っていなくても、そして一所懸命に勉強して備えなくても、
招かれたら喜んで出かけることができるような_ そんな楽しい茶会が
あれば、もっともっと新しい世界が広がるような気がするのですが...
所詮、異端者の夢想でしょうか。 それとも、小生の知らぬところで、
そんな茶会はいくらもあるのでしょうか。 (つづく)
コメント
いつも楽しみに拝読しています。
茶道を始めて、2年。
他の社中の皆様や、茶会で先輩方にお会いする機会が増えて、
驚愕する場面にであうこと数回。
「染まらないぞ」という気持ちにさせられます。
きらきらママさん、コメントありがとうございます。
>驚愕する場面にであうこと数回。
「驚愕」とは、また すさまじいような...。
朱に染まれば_ と申しますが、
いつまでも「染まらない」でおられることを、
期待しております。