キャンディーズ 音楽

キャンディーズ_18(難儀やな~)

 今すぐトイレに行く決心をしたことにより、少し心に余裕が出来て、伊藤蘭の歌っている曲が再び聞こえてきました。そして、何たる天の助けか! この「マグノリアの白い花」は確か前半最後の曲であったのを思い出しました。しかももうそろそろ曲の終わりです。小生がそっと席を立ちあがった時、まさに歌い終わった伊藤蘭が、拍手と大歓声を受けながら、例のトンネルから退場するという絶妙のタイミングで、小生はそれっとばかりに客席を抜け出し、かねてその位置を確認済みのトイレに、一直線に向かったのでした。

「マグノリアの白い花」(HOMINISより)

 ふ~やれやれ、危機を乗り切った小生は、「フン フン」と鼻歌なんぞを歌いながら席に戻りました。
おっと、「SUPER CANDIES」が始まっています。これはMMPのオリジナル曲で、キャンディーズのライブでは、この曲に合わせて客席全部が一体となり「C・A・N・D・I・E・S」「SUPER ・SUPER・ SUPER・ CANDIES」と大声で何度も何度も叫んで、ついに会場の興奮も極まったところでキャンディーズが登場し、「ハートのエースが出てこない」が始まる_ というのが名物になっていたのです。
 今回は、音頭を取って煽っているのがMMPではなくて、コーラスの2人のお姉さんなので、さすがにMMPのような強烈な煽りは望むべくもありませんし、客の方も名古屋のおとなしいファンだったりするので、ちょっと物足らなさはありますが、それでも少なくとも小生の周りでは、全員が手拍子をしながら大声を出しています。
 もちろん小生も負けずに声を張り上げていましたが、周りのみんなが本当に幸せそうな笑顔で、今から始まる出来事(つまりキャンディーズ曲の開始)がもう待ちきれないといった表情をしていたのが大変印象的でした。

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ところでこのコンサートにおいては、客たちはマスクをしなかったり、大声を出したりと、「新型コロナウイルス」の感染拡大防止の観点からはとても好ましくない行動をとっており、またその様子を小生は、この投稿において肯定的に書いている部分が多々ありますが、これは当時(2020年2月)は、「新型コロナ」に対する知識がまだまだ浸透しておらず、世間一般の関心も認識も、現在(2021年5月)に比べて大いに低かったという現実を理解して頂いて、投稿内の不適切な内容・表現に関してはご容赦願います。(kitapon記)
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 さて、演奏は「SUPER CANDIES」から(「ハートのエースが出てこない」でなくて)「危ない土曜日」に変わり、例のトンネルからランちゃんが曲に合わせて踊りながら登場しました。

「危ない土曜日」(BARKSより)

 気が付けば周りの観客はみんな立ち上がっています。
あるものは手拍子をし、あるものは(待ちに待った)「ランちゃんコール」を声を限りに叫んでいます。
 また、みんないつの間にかペンライトを赤く点灯し(赤はランちゃんのイメージカラー)、揃って振っています。
 小生はというと_ もちろん、遅れてはなるものかとばかりに立ち上って、手拍子をしながらペンライトを振り、思い切り大声で(本当は、最初の内はちょっと小さな声で)「ランちゃ~ん」と何度も叫んでいたのでした。
 この瞬間は本当に例えようのない感激の時間で、理容師も鳥肌を立てるあの興奮を、今小生は味わうことができていると思うと、いや~本当にコンサートに来てよかった_。

 ところで、3曲ほどキャンディーズ曲が続いて、夢中になって大騒ぎをしているうちに_ 小生は次第に体調の異変を感じ始めていました。今度はトイレとは関係ありません。実は小生は何年も前から心臓に一種の持病を持っていて、(大した症状ではないのですが)急激に運動をしたり興奮したりした時にややもすると心臓の動悸が激しくなり息苦しくなってくるのです。最近あまりその症状が無くてすっかり油断していたのですが...
 どうもいけません。このまま続けていたら大変なことになるかもしれません。
やむを得ず、席に座ってしばらくおとなしくしていました。
 周りはもちろん大騒ぎしています。その中で、一人だけ椅子に座って下を向いている客がいるというのも、なんとも奇妙な光景だったでしょう。(それにしても、年寄りは難儀やな~)

 しばらくそうしているうちに、幸いにも少し体調が戻ってきました。無理をしてまたひどくなってはいけないので、座ったままペンライトを(弱々しく)振ったり、時々立ち上がってみたり、自分の体と相談しながら恐る恐るの声援です。
 そのうちに、お定まりの「春一番」が始まりました。ランちゃんは舞台の一番端まで出てきて歌い始めたのですが、小生のすぐ前まで来た時に、一人だけ座っていた小生が急に立ち上がって、ペンライトを振り始めたのにちょっと驚いたような顔をした後、(小生に向かって)ニッコリ笑ったのです。

「春一番」(デイリーより)

 そう言えば、小生がまだ小学生の頃、長姉が「宝塚」の大ファンで、公演を見に行った時に「出待ち」でお目当てのスターが「自分の方を見て笑ってくれた」などと言うのを聞いて、「な~に、そんなのは自分よがりの気のせいさ」と思ったことがあったのを思い出しましたが、いや、相手が自分を見たかどうかは確かにわかるものだ_と今回確信したのでした。(このあたり、いかにも他愛もない話を書いているような気が...)

 それにしても、座席から立ち上がっている時にランちゃんが前に来ると、せいぜい2~3mしか間隔はないのですから、本当にすぐ目の前にいるような感じです(いるのです)。歌声もひょっとすると、マイクを通さない生の声が直接聞こえていたのかもしれません。
 「皆さん大丈夫ですか~。私は全然オッケーですよ~」のランちゃんのMCに「ウォー」と返事したものの、先程迄はあんまりオッケーじゃなかったんですよ~。(この項つづく)

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コメント

  1. マコ より:

    あ~良かった! なんとかセーフ

    しかし そこまでの感動はなかなか味わえるものではありませんよね。
    素敵な興奮までたどり着けて良かった。
    色んな意味で良かった~!(^^)!

    • kitapon より:

      そう、いかにも「たどり着けた」というのがピッタリの感じでした。
      そして、伊藤蘭も「全然オッケー」なんて言ってましたが、本当はどうかな_ などと心配したりして...

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