9月末の解散を撤回したキャンディーズは、翌年4月4日の後楽園球場での「ファイナル・カーニバル」までの9カ月間を最後の炎を燃やし尽くすかのように突き進んで行きます。
《 後 期 》(1977年夏~1978年4月)
9月には15枚目のシングル曲の「アン・ドゥ・トロワ」が発売されたが、オリコンで7位と思ったよりヒットしなかった。これは、この時期にはまだ解散宣言に対してファンの対応も統一されていなかったし、一般層やメディア各社の逆風が収まるには、もう少し時間が必要だったのかもしれない。
しかし、10月1日には全キャン連が主体となって、キャンディーズ関連の全ての組織とファンを統括するために「キャンディーズ・カンパニー」が設立され、10月2日には先に述べた「応援宣言」が発表されるなど、次第にファンの動きも活発になった。
また、当時渡辺プロを離れていた元マネジャーの大里洋吉が(解散までの)専属プロデューサーとして復帰し、TV、ライブコンサート、レコード等で、様々なイベントが企画された。そして、解散宣言直後にあれほど冷たかった各メディアの論調も、次第に「ファイナル・カーニバル」を待ち望むような空気へと変わっていった。
次の動画は、解散が間近に迫った時期のキャンディーズのステージの様子です。中期のヒット曲「哀愁のシンフォニー」を歌っていますが、この曲はサビの部分でテープが乱れ飛ぶことで有名で、ここでもステージがほとんど埋まってしまいます。でも、お見せしたいのはこの後の西田敏行が登場するサプライズで、この動画はこの頃の雰囲気を大変よく伝えています。
≪「哀愁のシンフォニー」YouTube koinoyokan5 より≫
また、キャンディーズが最後の最後に歌うことになる「つばさ」は、解散宣言のすぐ後に作られ、以降のコンサートで歌われるようになる。この曲は、ランちゃんの作詞(MMPの渡辺茂樹の作曲)で、ファンとの別れと3人の旅立ちを歌ったものであり、こうした企画もファイナルステージへのカウントダウンを否応なしに意識させるものであった。
ところで、それまでキャンディーズはオリコンでの1位を一度も経験したことがなかった(「春一番」の3位が最高)。そのためにファンや関係者にとって、解散までに何とかして1位を獲らせたいという気運が高まり、ついにはこれが「やり残した」最後の目標となった。 このような状況の下、12月には16枚目のシングル曲「わな」が発表される。この曲は(諸事情があり)しばらくキャンディーズの楽曲から離れていた穂口雄右に再び作曲を依頼し、シングル曲として初めてミキちゃんをセンターに据えたもの(ラン、スーの後押しがあったといわれる)で、かなりの意欲作であったが、残念ながらオリコン3位に留まり、またしても1位を獲ることはかなわなかった。
そして、1978年2月25日。スケジュール的に最後のシングル曲となる「微笑がえし」が発表された。作詞を担当した阿木燿子は、キャンディーズの集大成となるように、それまでのシングル曲のタイトル(春一番、わな、やさしい悪魔、など)を歌詞の随所にちりばめたり、意識して「別れ」を明るく表現したりしている。作曲はやはり穂口雄右で、「わな」のような言わば「難しい」曲でなく、キャンディーズらしいと言える1曲となっていると思う。
「微笑がえし」が発表されてからは、ファン達はこのラスト・シングルを1位にしようとラジオ番組などで広報につとめたり、1人2枚以上のレコード購入を呼びかけるような動きもあったようである。そして、解散直前の1978年3月12日、キャンディーズはついに念願のオリコンチャート1位を獲得したのである。
次に紹介するのは、その「微笑がえし」を「レッツゴーヤング」で歌っている動画ですが、このシングル曲のために用意された彼女たちの衣装は、小生にはどうも少々違和感があります。この時ランちゃんは23才であり、もうそろそろこんな幼い衣装は3人とも似合わなくなっているように思えるが_どうでしょうか。
≪「微笑がえし」YouTube Pokorin 2 より≫
数々のイベントをやり遂げたキャンディーズは、最後に「ありがとうカーニバル」と称した(解散記念興行である)全国縦断コンサートに出かけます。
これは、1978年3月18日から3月31日までの2週間に、北は北海道から南は九州まで9か所でのライブコンサート(全てのコンサートで40曲以上を歌っている)であり、続いて直後の4月4日の「ファイナルカーニバル」になだれ込むという、まさに驚くべきスケジュールだったのです。
関係者によると、この頃のキャンディーズは、鬼気迫る雰囲気を漂わせていたと言われています。
(この項つづく)
コメント
もう知ってると思いますが
NHK BS プレミアム
「わが愛しのキャンディーズ」
リマスター版 放送決定
11月7日(土曜日)19:30~21:00
なぜかフェイスブックで知りました。
知りませんでした。情報をありがとう。
楽しみです。 忘れずに録画しなくちゃ。