さすらいの茶人_14(近衛邸を覗く者)

近衛邸廊下

 ここは、広い書院2部屋と茶室があり、それらがすべて畳敷きの廊下で
繋がっているというダイナミックな造りで、廊下の外にさらに縁側があります。
 その中のどこでもよいから好きな所に座っていると、抹茶と菓子が
運ばれて来るという、お茶を飲むにはもっとも気楽な形式です。

 茶室の中は結構薄暗く、床の間に行燈の灯が揺れて、なかなかのムードを
醸し出しています。

 茶室の説明によると、「公家の茶の湯にふさわしい品格を感じさせるもの」
とありますが、確かに普通の茶席とは違った雰囲気があり、公家といわれれば、
なるほどそんな気もします。
(もっとも、「商家の」と言われてもそんな気がしたかもしれませんが)

 ところで、先ほどから気になっているのですが、その床の間に、なにか
黒っぽい不思議な物が置いてあるというか、飾ってあるというか...。
 
近衛邸床の間

 前まで行って確かめたいのですが、先客の中年男3人組がすぐ前にいるので、
小生遠慮して、機会を待っています。 彼らは、落ち着いた話振りと年恰好から、
結構な立場の勤め人と見受けられます。

 しばらくして、重役3人組はどうやら帰るような気配で、見るとはなしに見ていると、
その内のひとりが、やおら床の間のその不思議なものを掴んで立ち上がりました。
なんと、それはその中年男の上着だったのです。 (これっ、どこに置いておじゃる!)

 ともかく、これでまた貸切状態になりました。
抹茶を飲み終わってから、ちょいと縁側に出て、庭を眺めていると、
どういうわけか、サービスで煎茶などを運んできてくれ、  やあ、これはありがとう。
おお、涼しい風が吹いてきた。  などと、小生至高の時を過ごしています。

 ふと、なにやら視線を感じたような気がして、庭の向こう側に目をやると...

近衛邸から見る櫓

 先ほどの丑寅櫓が、じっとこちらを覗いていました。 (つづく)

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One Response to “さすらいの茶人_14(近衛邸を覗く者)”

  • ここは幼少の頃通った
    西尾幼稚園の跡地でした。

    先日行ってみてビックリしました。

    隣の小学校の階段もそのまま残っていて
    子供の時はもっと大きかったのに・・・

    一段落したらゆっくりお茶を頂きに(^-^)

    コメント by mako @ 2009.07.30 木曜日