寧日庵については、前シリーズで詳しく書きましたので重複は避け
ますが、茶道は好きだが稽古には(それぞれの理由で)本腰を入れて
いなかった人たちが、共有の茶室を建て、月に一度くらい顔を合わせ、
お茶の稽古をしながらまぁ楽しくやっていこうというような集まりです。
そして昨年の秋に、事情をよく解っている数人の客だけを招いて
初めての茶会を開き、それに招かれた小生はとても幸せな時間を
過ごすことができました。
寧日庵の茶会を一口で言うならば、小生がずっと望んでいた例の
「異端の茶会」であり、つまり茶道の心得が全くない人が出席しても、
決して叱られたり意地悪をされることがなく、楽しく過ごせるという茶会
です。
でも、だからといって亭主側が思いつきでいい加減な茶会を開くとか、
客が軽い気持ちで緊張感もなく参加するということとは少し違うような
気がします。 それではお互いに楽しむことはできないでしょう。
亭主も客も、それぞれが自分の出来る範囲で自分なりにもてなし、
もてなされる。 だから、たとえ失敗してもうまくいかなくても、みんなで
充実した時間を共有できる_ と小生は考えるのです。
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さて、今回の登場メンバーを紹介しますと、亭主側は昨年と同じ3人
でしたが、客側は2人ほど入れ替わっています。
一人は、寧日庵のメンバーではない(と思われる)が、皆と顔なじみの
人で、茶道の心得も(どの程度かは不明ですが)あるようです。
もう一人は小生の昔からの友人のMさんで、こちらは茶道にはまるで
縁が無く、茶会など生まれてから一度も行ったことがないのですが、
茶会という物にはまんざら興味がないではないとのことで、それならば
最適の茶会(つまり全くの素人でも大丈夫な茶会)がある_と、小生が
誘ったものです。
(寧日庵の立派な水屋)
さすがにMさんは心配そうで、
「本当に何も知らないけど、大丈夫かなぁ」
「大丈夫、大丈夫」
「道具のようなものも持ってないけど」
「家に余っているのが一式あるから大丈夫」
でも考えてみると、いくら素人でもOKとは言っても、全く何も知らなく
て出席したのでは、今自分が何をやっているのかさっぱり解らず、
それでは、かえって少しも楽しくないかもしれません。
というわけで、小生得意の図書館蔵書のなかから、「はじめての茶会」
とかいう(マンガ風に見やすく書いてある)本をMさんに渡しました。
「これの最初の方だけ軽く読んでおけば、大丈夫」 (この項つづく)