脇目も振らずに下まで降りて来ると、ちょうど小さな神社があります。
これは好都合、と急いで参拝をして、さらにもう少し遠くまで... もう大丈夫。
ここまで追いかけては来ないだろう。 (もともと、何も追いかけてきてませんが)
やれやれ、少し一休み。 と思った目の前に、今度はちょっと休憩して
抹茶を飲むにはちょうど良さそうな、気の利いた施設があります。
どうも話がうま過ぎです。
次に、ああひと風呂浴びたいなー と思うと、温泉が出現しそうですが、
結局最後は、肥え溜めかなんかに入っているところを、村の衆に発見される
というのでは、かないません。
怪しみながら様子を窺うと、ここは旧近衛邸を復元した、茶室と庭
とのことで、ちゃーんと呈茶もあります。
さすらい人としては、まさかこれを見逃すわけにもいきません。
門をくぐって中へ入っていくと、結構広い庭ですが、雰囲気は今ひとつといったところ。
ゆっくり庭を一回りしてから、座敷に上がることにしました。
近衛邸とはどこの近衛邸か、どうせ「なんとか銀座」とか「かんとか富士」の類であろうと
高をくくっていたところ、なんと五摂家筆頭のあの近衛家の、恐れ多くも書院と茶室を
京都より移築したとのことで、何故そんなものが、頼みもしないのにいきなり目の前に
現われて、中でお茶でも飲んでいってくれと誘ってくれるのか、さっぱり解りません。
一体、世の中の人は、こんなすばらしい施設が、素知らぬ顔であちこちにあるのを
知っているのだろうか。 小生、どこへいっても殆んど貸切状態で、どうしてこんなに
よくしてもらえるのか気味が悪いくらいです。 (時々、はずれもありますが)
何はともあれ、呈茶券を買ってと。 や、やすい! (つづく)