茶道 茶道の懐

茶道の懐_8(一番下等な陶磁器)

 織部(おりべ)ほどではないにしても、小生が好きになれなかった
陶磁器に、染付(そめつけ)などと称される磁器があります。

茶碗4

 これは、白い地肌に青い線でいろいろな絵や文様が描いてある
磁器で、小生の小さい頃は、茶碗や皿などの食器から、火鉢、花瓶、
はては傘立てに至るまで、このタイプの磁器が家の中に溢れており、
しかも殆んど全てのものが(多分)安物であったこともあって、小生は
陶磁器で一番程度の低い種類が、これら染付磁器であろうと堅く
信じていたのです。

 これも、とんでもない思い込みでした。
この手の磁器には、有名な有田、伊万里さらには祥瑞(しょんずい)と
呼ばれる、中国製の超高級品などもあって、確かに良い物をよく見て
みると(ほとんど本で、ですが)、小生の家の安物とは全然違います。

茶碗2

 さて、なんやかやで陶磁器についてある程度の知識がついてくると、
茶会に行った時、目の前に出される茶碗を見る目が変わってきます。

 ああ、これはきっとあれだな、とか。 こんなのは見たことがないが
何だろう、とか。同じ種類でも、こっちはなかなか良いんだが、あれは
どうも好きになれない...。
などと、いろいろな思い入れを持ちながら抹茶を飲むことができます
ので、今までよりうんと茶会が面白くなります。

 それだけではありません。
たまたま陶磁器で有名な地方に旅行に行ったりすると、そこにある
名物の陶器が欲しくなります。 いや特に買わなくても、買おうかな
と思いながら、店や窯元を見て歩くだけで興味は尽きません。

 こんなことがありました。

 ある時、仕事の帰りに時間が余ったので、コーヒーでも飲もうと..
(こんな書き出しは、どこかにあったような)
ともかく、キョロキョロしながら車を走らせていますと_
「やきもの散歩道」という看板が目に入りました。

常滑1

 やきもの? 多分陶磁器のことであろう。
焼鳥屋の屋台が並んでいるのではあるまい。 (つづく)

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コメント

  1. mako より:

    いつも楽しみに読ませて頂いております。
    素敵な染め付けの器に感動してメールしました。
    文章も面白いし写真も興味深く楽しんでおります。

  2. kitapon より:

     この写真の茶碗はお袋所有のもので、2番目の写真に
    写っている物と同じ茶碗です。
    いずれにしても、染付の磁器は、今やお気に入りの
    焼物の内のひとつになっています。

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