例年と同様に、リビングのテラスから草履を履いて庭に降り、順番に
蹲(つくばい)を使って、躙り口から席入りします。
ゆっくりと庭の景色を楽しみながら、さあ今から茶会が始まるぞ_と
いうのは、いや何とも贅沢な気分です。
おぉ、正客の位置にはちゃんと補助椅子を用意してくれています。
小生がいつも使っているのに比べると相当立派な補助椅子のようで、
茶会の途中で「これは、いずれの御製で_」なんて尋ねたりして……。
順番に拝見して席に着きますが、なにせ小生は膝が痛いので、床の
前や釜の前でも正座が出来ず立ったままでの拝見です。
これが第1回目の寧日庵茶会であったなら、きっと他のメンバーも
小生の真似をして、立ったままでの拝見ということになり、わけの
分らぬ茶会になったかもしれませんが、さすがに今回で3度目とも
なれば、みんなそれぞれソツなく拝見を済ませているようです。
例の黒紳士はというと_ これは充分に手慣れた様子で、一安心。
いやいや、よく考えてみればそうではなくて、あちらは茶道の経験者です
から、逆にむこうが小生の方を心配しているかもしれません。
ところで、いつもと何か景色が違うと思ったら、今回は炉が開いている
ではありませんか。そう言えば、前2回は10月に開催されていたのが、
今回は11月の終わりごろですので、庭だけでなく部屋の様子も変わって
いた_ というわけです。
本日の掛物は「円相」です。 同じ円相でもいろいろな物があるよう
ですが、これはとても自分の趣味に合うなぁ_ と思って見ていたら、
例の「和敬清寂」の姉妹軸と同じ小林太玄師の書でした。
_などと書くと、そちらの方面の知識が豊富であるように聞こえそう
ですが、なに、そうではなくて、たまたま我が家にあった例の軸の字が
気に入って、名前を憶えていたということなのですけどね。
花はというと、えーと多分椿の一種ですよね。枝の部分は別の物が
組み合わせてあるのでしょうが… 相変わらず花はさっぱりです。
(この項つづく)