(入口近くの四阿から見る望楼)
この建物は平屋造りですが、嘯月楼(しょうげつろう)と呼ばれる
望楼がついています。
この階段を上って行くのですが、隠し階段のようになっているので、
小生ぐらいのヴェテラン(?)にならぬと、気付かずに通り過ぎて
しまいそうです。
梯子を登ると言った方がぴったりですが、注意深く上がって行くと、
人が2~3人で一杯になりそうな狭い部屋に出ます。
ここは、まあいわゆる展望室というわけで、ここで一杯やりながら
月を愛でるなどとゆう風流の極限を味わう場所と思われます。
あまりの気持ちよさに、ここでつい うとうとと眠ってしまったら_
閉苑時間が過ぎ、誰も気付かずに帰ってしまって、目が覚めると
すっかり暗くなっていたりして...
(夜の丈山苑)
こんな所に一人で残されたらとんでもなく怖くて大変です。
この丈山苑の魅力の一つは、こういう施設にしてはめずらしく、
大袈裟なものを感じさせない、開放的な雰囲気にあると小生は
考えています。
つまり茶道などに全然縁が無い人でも、何の気兼ねもなく抹茶を
飲めるとか、黙って座敷に座って1時間くらい庭を眺めていても、
(多分)誰も何も言わぬであろうというような、不思議な気取らぬ
空気があるのです。
逆に、茶道に造詣の深い人とか、この手の建造物や庭に興味を
持っている人などがやって来て、小姑のように細かい造作を観察
したりすると、少々違和感を持ちそうにも思います。
もっとも、これは丈山苑側が意図しているものとは、全然違って
いるのかもしれませんが...。
また、ここで味をしめた素人が、同じように見える他の施設に油断
して入って行くと_ きっと、痛い目に会いますのでご注意を。
さて、そろそろ帰る時間になりました。
両側に竹林の生い茂った小径を通って帰路につきます。
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実は、ちょっと訳あって、しばらくの間こういう施設に来るのを、
意識的に避けていたのですが_ やっぱりいいところです。
なんだかとても精神的にリフレッシュされました。
これからまた、機会があったらちょくちょく立ち寄ってみようかな。 (この項おわり)