茶道を覗けば_7(魔王の裁き)

佐喜知庵の蹲

 お点前とは一体何だろう...と考えているうちに、
今度は部屋の反対側の襖が、またまた音もなく開きました。

 そこには、新たなる敵...にしてはちょっと弱そうな、振袖姿?の若い娘が
小生よりも緊張した面持ちで、畏まっています。

 「本日はお忙しい中、わざわざお越しイタダキマシテ △◆※・・・」
どうやら小生に挨拶をしているようです。
 これで黙っていては、すっかりなめられてしまうかもしれません。
 「やっ、まあその、大したことはムニャムニャ」
こちらもきっちり挨拶を返しました。それにしては何を言っているのかわかりませんが。

佐喜知庵の炉

 ここに至って、だいたいの粗筋が小生にもわかってきました。
つまり、この娘御が今から小生にお点前とやらを見せてくれるというわけです。
 ことの成り行きから考えて、どうやらお点前とは抹茶を飲ませるにあたっての
セレモニーのようなものであろうと想像できます。

 「お菓子をどうぞ...。」
魔王があいかわらず穏やかな調子で、小生に菓子を勧めます。
なあに、菓子くらい立派に食べて見せますよ。

 ...しかし、それにしても、この菓子は、どうも、べたべたして食べにくい。
一緒に添えられていた楊枝のようなもので、悪戦苦闘している小生をみて、
「どうぞ、ごゆっくりとおあがり下さい。」と魔王。
 いや、そう言われるとますます焦って...。

 ふと気がつけば、すぐ横では先程の娘御が、負けずに緊張した面持ちで、懸命に
抹茶を立てている様子。 こちらはとても「お点前をご覧になる」という心境ではなく、
これではまるで、緊張を競い合っている二人を、どちらが勝ちか魔王が裁いている
といった図です。

 魔王がにこやかに続けます。 「床の間に掛けてありますのは、...」 
はあ、小生はこんな崩し字は読めませんし、故事や禅語にもとんと教養がありません。

 「そのお花は、...」
小さい頃から花は全く目に入りません。 小生は花を大きさと色だけで区別しています。

 。。。。。 それからのことは、あまりよく覚えていません。 (つづく)

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