(写真は本文とは関係ありません)
とにかく凄い数の人が集まっています。 待合室も満員で、空いている席を
見つけて、用心棒とは別々に、辛うじて座りました。
それとなく周りを見回すと、ヴェテランが30%に初心者が20%、残りが
普通に茶道を習っている人といった感じで、思ったより初心者が少ない
ようです。
ここで、さんざん待たされることになるのですが、この待合室が、庭どころか
窓も何もない、コンクリートに囲まれた一室で、ちょうど総合病院の待合室の
ような雰囲気です。 ただし、もっと薄暗く、しかも隣の人と肩が擦れ合うほどの
混みようで、もちろん、悲しいことに週刊誌も新聞も置いてありません。
なーるほど、これも修行のうちに違いない。 などと思ってもみましたが、
単に混んでいるだけのようです。 それにしても、こんなに人が集まるのは
間違いなく、今からとても素晴らしいことが始まる証しでもあります。
ふと気がつくと、右隣りのヴェテラン(つまり、きっちり和服を着こんだ、
ある程度の年配の、見るからに茶人風の女性)が、妙に小生の方に体を
寄せてきます。 ※!?
一体何事かと訝っていると、小生の左隣のこれまたヴェテランに手をのばし、
「ちょっと、○○さんじゃございません?」と、その膝を突きました。
「あらまあ、これはお久しぶり、その節は云々...」と二人のヴェテランは
そのあと、夢中になって話に花を咲かせます。
(写真は本文とは関係ありません)
まあ、それはそれでいいでしょう。 お知り合いに出会ったのだから、
どうせ待ちくたびれた時間帯でもあり、お話されるのは大いに結構です。
でも、小生を両側から挟んで、目の前でしゃべるのはやめて頂きたい。
冗談抜きで、小生は身動きできず、この状況をどうやって打破すべきか
途方にくれていました。 透明人間になって、人ごみに入っていたら、
きっとこんな妙な気分を味わうに違いありません。
それにしても、自分の存在をこれほど見事に無視されたのは、多分
小学生の頃以来かと...。 (つづく)