茶道 魔王ふたたび

魔王ふたたび_5(脈略なき行動)

 先回、佐喜知庵の魔王こと、小生にとっての謎の、心の師匠に
ついに15年ぶりに会えるか_ というお話をしました。
 この時は何らかの妨害が入ったとしか思えぬような偶然が
重なって、とうとう再会の機会を逸したのですが、それからおよそ
1年が経った、今年の初めごろのお話です。

   佐喜知庵8

 先回にお話しした通り、多分その謎の師匠であろうと思われる
K先生の担当日は、昨年はたった1回しかなくて、結局その日に
行けなかった小生は、とにかく年が明けたらすぐにでも、一度
佐喜知庵に行って、今年の予定表(どの先生が、いつ担当するか
が書いてあるもの)を入手しようと考えていました。
 そしてこの日、うまい具合にこちらの方面の仕事があったのを、
これ幸いと佐喜知庵に寄ってみたというわけです。

 まず、例の如く佐喜知庵とは別棟にある事務所に行って、今年の
予定表のコピーを入手し(実はこれ、そんなに簡単には手に入らぬの
ですが)、どれどれと目を通したところ_  な、なんと、あろうことか
(嘘のような本当の話ですが)K先生の担当日は昨日だったのです!

 実は、ひょっとすると、もうK先生の担当日はすでに過ぎているかも
しれぬと、密かに恐れてはいたものの、まさか1日遅かったとは_ 
 よく考えてみると、実際にはもしこれが事前に解っていたとしても、
昨日は忙しくて、佐喜知庵に来ることはできなかったかもしれません
が、それにしても、1日違いとは_ 何だか思い切り意地悪をされて
いるような気がしないでもありません。

   佐喜知庵9

 どうしてもっと早くから確認しておかなかったのか_ 
もちろん、もっと本気になって、正月休みが終わるやいなや佐喜知庵
に連絡をとり、取りあえず1月中にK先生の担当日がないかどうか
だけでも調べてもらうという方法も無くはなかったとは思うのですが、
まぁ、仕事とは違いますし、そこまで大袈裟に行動する気にはあまり
なれなかったのです。(どうも、やっていることに脈絡がないような..)

 いやまてよ_ もう少しよく予定表を確認したところで、小生は安堵
の胸をなでおろしました。 この予定表は今年の前半部分のみの日程
なのですが、少なくともK先生の次の担当日がゴールデンウイーク中
に、もう一度あるのです。休みの日であれば、小生は後ろめたい思い
もせずに、堂々と佐喜知庵に来ることができます。

 よしよし、 3か月以上も先になるけれど、今度こそは万難を排して
やって来るぞ_ と、小生は自分の予定表にしっかりこの日付を書き
とめて、佐喜知庵を後にしたのですが... 
                (話がちっとも進まぬまま、この項つづく)

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