閑話諸口

乗り物酔いの顛末_11(中国三千年)

 今度こそだめだ! と覚悟した小生でしたが、それから20分程度で
宴会場であるレストランに到着したとき_ おや~ 何ともありません。
 まったく、狐につままれたような気分とはこのことです。

  中国6
   (写真は本文とは関係ありません)

 で、それから食って飲んで歌って_ また、車に乗せられて、宿泊所
に割り当てられたホテルの一室へやっと辿りつき、さてさて、今日一日
を思い返してみると、どうにも不思議な、納得のいかない一日で、一体
何が起きたのか_ と、小生の頭はすっかり混乱してしまっています。

 翌朝、ホテルを早く出て、昨日の工場まで「バスで」出勤し、また一日
昼食以外は何も飲み食いせずに過ごして、業務が終わるとすぐに、
「さぁ、宴会だ」というわけで、再び車に詰め込まれて_
 酒にあまり強くない小生には、かなりきつい日程が続いたのですが、
この間、一度も乗り物酔いをしなかったのです。

 ひょっとすると、小生は中国では乗り物酔いをしないのだろうか。
中国の車が日本とは違うのだろうか。それとも、中国の空気が日本と
違うのだろうか。 あるいは、緯度や経度の違いが小生の平衡感覚に
微妙な影響を与えているのだろうか。

 とにもかくにも、こうして短期の滞在を終えた小生は、復路も、例の
騒々しい高速バスに乗って上海まで戻り、(残留孤児にもならずに)
無事に帰国の途に就くことができたのです。 

  中国5 

 日本へ向かう機中で、小生はこう考えていました。
中国では一度も乗り物酔いをしなかったが、日本に戻ると、きっとまた
元のようにひどく酔うようになるに違いない。 ということは、 まず、
中部空港への着陸時が危ないのではないか。 しかしまぁ、仕事も
終わったことだし、多少のことは止むを得ぬだろう。 そのぐらいは
我慢しなくちゃ。

 ところが実際には、その後何のトラブルも無く、大層疲れてはいた
ものの、一度も、酔いそうにすらならずに帰宅できたのでした。

 そして_  実は_
それ以来、(何年か経過していますが)小生は一度も乗り物に酔って
いないのです。

 *****

 小生は生まれて以来、何十年もの間、乗り物酔いに苦しめられて
きました。 それが、ある時から急に酔わなくなるなどということが、
本当にあるのだろうか!? (あるのです)
 これこそが、中国三千年のパワーなのだろうか!

  中国7

 小生は、(少なくともこの件に関しては)中国、あるいは中国の神に
対して、感謝してもしきれない心境で、とても中国に足を向けて眠れ
ないのです。 
(よく考えてみると、小生はいつも頭を東にして寝ているような...)

 それでも_
ある日突然、夢からさめたように、以前の自分にすっかり戻っている
のを知って愕然とすることがあるのではないか_などと、いつも怯え
ながらバスに乗り込んでいる小生なのですが...。 (この項おわり)

にほんブログ村へ  ←人気ランキングに参加中(クリックして頂くとランクが上がります)

コメント

  1. y-kondou より:

     楽しく拝読させていただきました。

     いやはや、人間って本当に不思議なもんですねぇ・・・
     ある日ある時、ひょんなことで心も身体も変わってしまう・・・

     小生は、幼き頃(これでも人と変わりなくありましたご承知の通り)それはそれは酷い「かぶれ症」でした。
     特に「かぶれの木」の近くを通るだけでも、酷い症状になり、全身じんましんが現れることが日常茶飯事でした。

     そんな小生が、ちょっと自我に目覚めてきた小学生の高学年となった時、「僕は弱い人間ではない!かぶれなんかに負けるか!」っと大声をあげながら、無謀にも「かぶれの木」の葉っぱに直に手をふれ、「どうだ!どうだ!」と立ち向かいました。
     結果、かぶれ症状は現れず、その後約半世紀たった今も「かぶれ症」とは無縁でいます。
     いやはや本当に不思議な体験をしています。

     おっとそう言えば、その後「じんましん」は一度だけ経験しました。
     回転寿司がまだまだ世間にはなかった昔の話です。
     東京に3カ月滞在した折、神田に高級江戸前寿司が激安で旨い店があると聞き、友達数人で出掛けた時のことです。
     やはり激安値段の店、高級感は無いまったくないみすぼらしいその字の通りの立ち食い店でしたが、お腹と懐には充分に満足して帰宅した直後、小生一人だけが、それはそれは酷い「じんましん」となりました。
     原因は、幼い頃の思い出である鯖寿司が、しめてなく生でいただけるのを知り、小生だけが異常に何貫も食したことが原因と思われましたが・・・

     しかし、貴殿よかったですねぇ。
     乗り物酔いともお別れしましたか。
     今後は折に触れ、今まで行きにくかった地へも公共交通機関利用の旅を楽しまれてください(^^ゞ

     それでは次回作も楽しみにさせていただきます。
     

  2. kitapon より:

     なるほど。 人それぞれいろいろな体験をお持ちなのですね。
    私も、もっと早く、「車酔いなんかに負けるものか! どうだ!どうだ!」と、
    立ち向かっていれば、違った人生があったかもしれませんね。

     しかし、鯖寿司の話は、ひょっとすると乗り物酔いにも通ずるところがある
    かもしれないので、気を付けなければ...。

  3. mako より:

    なんとも不思議な???
    でも良かった良かった\(^o^)/

    これで団体バス旅行もOkですね(笑)

  4. kitapon より:

    いやいや、団体バス旅行に出かける程の自信は、まだありません。
    何せ、酷い目にあった期間が長かったですから。

タイトルとURLをコピーしました