閑話諸口

英語の教師_5(全面降伏)

 小生が高校2年の時、最悪な(と、小生が考える)英語教師の
授業でのことです。 その前日にちょうど大学の入学試験が実施
された関係で、この入試問題について授業をすることとなりました。

  kuro_4
  (写真は本文とは関係ありません)

 「今から私が、入試に出題された英文を書くから、各自日本語に
訳してみなさい」と言いながら、この教師はかなり長い英文を、
わざわざ「何も見ないで」黒板に書き始めました。
 これを見て、馬鹿な生徒たちが、「ほぉ~」と歓声をあげたところ、
調子にのった教師は、さらに「いや、私はこの問題を1回見ただけ
ですけどね」などとのたまわったのです。

 ここに至って小生は我慢できなくなって、「ウオッホン!」と、大きな
咳払いをしました。 次の瞬間教室が凍りついたように静まり返った
のを覚えています。

 キッとなって振り向いた教師は「誰だ今のは!」と大声で怒鳴り
ました。
やむなく手を挙げた小生を怒り心頭といった顔でじっと睨んでいた
教師は、次に「すぐにここから出て行きなさい」と、興奮に震えた
声で言ったのです。

     kuro_5
       (写真は本文とは関係ありません)

 後で小生は、その教師に職員室に呼び出されました。
「どうしてあんな態度をとったのだね、君は」
「反省しとるのかね、え?」
「もう二度としないというなら、帰ってよろしい」
*****
 「はいはい、先生のお腹立ちはごもっともです。僕もその気持ちは
よ~く解りますよ。
 しかし、よく考えてみてください。 高校生のガキどもを相手に、
いい歳をした教師が、つまらぬ自慢を披露して、それを少々咎め
られたからといって、すっかり頭に血が上って、その生徒を教室
から追い出してしまった_ ということですよね。
 これって、反省すべきなのは一体どちらなのですか?」 
*****
  kuro_6
  (写真は本文とは関係ありません)

 今ならばこのくらいの反論ができるかもしれぬのにな_と、思って
とっても悔しい気分になるのですが、当時の小生はまるで意気地の
無いもので、
 「いや、あの、 どうもすみません」
 「はい、わかりました」
などと全面降伏して、職員室から解放されたのでした。

 この教師も、今となっては懐かしい思い出...
というような気分には、決してなれません。  (この項つづく)

にほんブログ村へ  ←人気ランキングに参加中(クリックして頂くとランクが上がります)

コメント

  1. さる より:

    久しぶりに覗いてみたら、久しぶりの投稿があり嬉しく思いました。
    先生きっと沢山の準備をされていたんでしょうが、残念な気持ちだったんでしょうか。
    恥ずかしいとか、がっかりとか、傷つくとか、そういう感情の大方を怒りの方向で処理している自分となんとなく重ねてしまいました。大人なのに…。

  2. kitapon より:

    さるさんコメントをありがとうございました。
    ま、人間の感情なんて、先生でも生徒でも、大人でも子供でも、あまり
    大差ないですよね。
    (それを、外に出すかどうかは別として)

タイトルとURLをコピーしました