小生の乗り物酔いの話の「最終章」とは_ こういう話です。
数年前に、仕事で中国へ行くことになりました。
何カ月も前から打診を受けていましたが、小生の役割は他の人に
代わってもらえぬ内容なので、決定した限りは、もちろん簡単に
キャンセルするわけにはいきません。
ところで、小生が真っ先に確認したのは、当地での移動手段です。
飛行機で上海まで飛び、そこから新幹線で2時間半、次にバスで
30分程度で目的地に到着するとのことで、少々不安でしたが、
新幹線に乗る前に2時間の待ち時間があるとのことで、まあ何とか
なるであろう(待合室で2時間は寝ていられる)と考え、この仕事を
引き受けました。
(中国の新幹線(Rochet News 24より))
ところが_ 出発日近くになってから急に連絡が入り、当地での
交通手段に変更があったとのこと。 上海空港から新幹線のはずが
何と、現地まで全てバスを利用することになり、バスの乗車時間は
4時間!つまり、2時間半飛行機に乗った後で4時間バスに乗れ!
という話です。
これはだめです。 とても無理な話です。
何とかならぬかと、仕事相手の担当者に掛けあったのですが、全然
相手にされません。そのうちに最初は笑っていた担当者の顔が段々
こわばってくるのがはっきり解りました。
まぁそれはそうでしょう。 子供が遠足に行くのではありません。
いい歳をした大人が、仕事で海外に出かけようというのに、直前に
なって「乗り物に酔うから」キャンセルしたい_ などと言えば、
立場が逆なら小生でも「怒る」より「あきれて」しまうでしょう。
しかし、止むをえぬ仕儀だからと言って、この仕事に出かけたら
一体どういうことになるのだろう。
まず、無事に上海に着けるだろうか。 バスに乗ってから途中で
無理やり自分だけ降りてしまって、そのあと中国大陸を一人さまよう
ことにならぬだろうか。もし奇跡的に目的地に着いたとして、その時
小生は瀕死の状態になっていて、仕事どころではないのではない
だろうか。
何か他によい解決策はないかと、いろいろ調べてみました。
当地でレンタカーを借りるというのはどうか。自分だけ新幹線を
利用するわけにはいかぬだろうか_。
しかし、20人程度の団体で出かける仕事の旅程の中で、中国に
初めて行く小生が、それらの単独行動を採るのは、いかにも現実
離れしており、結局のところ小生は、仕事上でほとんど「親請」に
あたる大得意との取引を停止されるか、あるいはそのままの条件で
中国に行くか、の二者択一を迫られたのです。
そして、ついに小生は、決死の覚悟で中国行きを決断しました。
今まで、この小生の「乗り物酔い」の話に付きあってくれた人なら、
この時の小生の「決死の覚悟」もしくは「悲壮な決意」という表現が、
まんざら大袈裟でもないと、きっと解ってもらえると思うのですが...
(この項つづく)
コメント
顛末の巻は1幕で終わりではなかったのですね。
今回の話は、小生が言うのもおこがましいのですが、文の運びもよく
会を重ねるごとに、話の中に引き込まれていき、顛末?・・と、とても楽しく拝読させていただいています。
乗り物酔いの辛さが、ご本人しか本当は分からないと思いますが、何かひしひしと感じてきています。
次回はと、楽しみにしています。
この乗り物酔いの話は、最初は簡単に1~2回で終わるつもり
だったのですが、書いているうちに段々いろいろな話を思い出し、
自分で驚きながらのめり込んでしまっています。