閑話諸口

乗り物酔いの顛末_6(冷笑の気配)

この他にも、初めて小さな船(ボート)に乗って海釣りに出かけ、最初から
最後まで吐き続けていたとか、病院に見舞いに行く途中ですっかり酔ってし
まって、病院に着くやすぐに点滴をしてもらうはめになり、見舞いもできずに
帰ってきたとか、海のシーンがたくさん出てくる映画を見ていて、途中から
ずっと下を向いて、気持ち悪さに耐えていたために、一番見たかった場面を
とうとう見ることができなかったとか_  この手の話は書き出したらきりが
ありません。

船釣り
   (写真は本文とは関係ありません(釣遊會ブログより))

それにしても、こうやって改めて自分の乗り物酔いの話を読み直してみると、
我ながらその程度のひどさに驚いてしまいます。 よくこれで普通の生活が
送れてきたものだ_ と、感心しないでもありません。
小生程のひどい乗り物酔いに悩まされてきた人は一体世の中にどれ程
存在するのだろうか。 少なくとも、小生の知り合いの中にはそんな人間は
一人もいないようですが。

小生の子供たちもかなり乗り物酔いをするという話をしましたが、最近は
大して酔わないようです。 これは、自分の父親が目の前であまりにも凄ま
じい酔いっぷりを見せるので、自分の乗り物酔いは大したことはないのだ、
と解ってきたことが良い影響を与えたのではないかと小生は考えています。

ところで、乗り物酔いに悩んでいるという話をすると、一般の人の反応は
「情けない」とか、「だらしない、根性のない」といったものが多く、また
「三半規管や前庭器官を鍛えればすぐ治る」などという意見も多いのですが、
こういう見解に対しては小生はいつもむきになって反論しています。

平衡器官
     (出典不明)

小生はどちらかというとスポーツは得意な方ですし、有名なスポーツ選手
の中に乗り物酔いをする人が意外に多かったりします。 「けんか空手」で
有名な、かの大山倍達さえも乗り物には弱かったと聞いています。

すなわち、「感覚が鋭敏」だからこそ酔うのではないか、通常の人たちが
気付かぬようなわずかな異常にも過敏に反応してしまうのではないか_
とも思いますが、こういう意見を一所懸命述べてはみても、 まぁ 一笑に
付されてしまうのが常のようです。

また、もし旅行の途中で胃が痛んで_とか、心臓の動悸が激して_とか
いうのであれば、皆本気で心配してくれるのでしょうが、これが「車酔いで」
となると、その場に居合わせた人も、後から話を聞いた人も、 どうも...
何というか、もう一つ真剣に心配していないような...  さらに言えば、
心配の顔の下に冷笑あるいは失笑の顔があるような、ないような_ そんな
気配を感じてしまうのは、はたして小生の単なる被害妄想なのでしょうか。

さて...
項のタイトルに「顛末(てんまつ)」と付けたからには、この小生の乗り物酔い
の話には、実は「最終章」つまり最後と言うにふさわしい_ そして、驚くべき
エピソードがあるのです。  (この項つづく)

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