長旅の途中で乗ったJR「八高線」でのお話 _
朝早く家を出てきたせいで、座席に座るとすぐに眠気に誘われます。
...ふと気が付くと、列車はある駅に停まっていたのですが、何だか
様子がおかしいのです。 最初は何が変なのかよく解らなかったのですが、
その内に、ドアが閉まったまま列車が停まっているのに気付きました。
まぁ、快速電車にでも追い抜かれるのだろうと考えて、またうつらうつら
してから気が付くと、今度は別の駅に停車したのにドアが開かないままで
発車してしまうではありませんか。
これはおかしい、ドアが壊れているのではないか、それともひょっとすると
この列車は一度乗ったら最後、決して降りることのできない奴隷列車...
なわけはないので、今度は駅に着く前からしっかり観察していたところ、
どうやら謎がとけました。
つまりこの列車のドアは、いわゆる「半自動ドア」というやつで、扉のすぐ
横に[あける][しめる]と書かれた2個のボタンが用意されていて、ドアの
開閉は乗客が自分でするのです。 したがって誰も乗降しないと、ドアは
閉まったままになっていることになります。
小生が乗り込んだ時は、一緒に乗った誰かがドアを開閉したのに全然
気付かず、普通のドアだと思っていました。
この手のドアは、寒冷地や特別な路線などで採用されることが多いと
聞いた覚えがありますが、実際に使用されているのに初めて出会った
小生は、完全に意表を突かれてしまったというわけです。
続けて観察していると、降りる人はドアを開けて出た後で、誰も閉めて
いきません。やむなく、ドアの近くの座席に座っていた客が手を伸ばして
「しめる」ボタンを押したりしています。
どうも躾の悪い客ばかりだなぁ_ などと思って見ていたのですが、
実は外からは[しめる]ことができない構造になっているようです。
ほぉ、なるほど。 でも、そのまま開けておいたら一体どうなるのか。
ドアが開いたままで列車が走りだしたのでは、転落する客が後を絶たない
ということもあり得ないので、きっとそういう場合は、自動で閉じるように
なっているのでしょう。
ところで、このようなシステムを採用している理由は何だろう。
きっと、用もないのに開けたままにしておくと、冷暖房の効果が薄れて
エコでない_ とかいった類の話であろうと思われます。
まあ、今の季節にはあまりピンときませんが、冬や真夏なら結構有用
かもしれません。
それともひょっとすると、このあたりは毒虫が一杯飛び回っていて、
すぐにドアを閉めないと次々に飛び込んでくるとか_。
「フーム、さすがはローカルっても東京(腐っても鯛のつもり)。
乗客がドアの開閉とはなかなかやるわい」
...? いや、よく考えてみると小生の家の近くを通っている私鉄には
うんと昔から、そんなシステムがあったような_ (この項つづく)