この授業の間中、大袈裟で無くて本当に笑い声が絶えることが
無く、小生は一生のうちでこれほど楽しい授業を他に経験したこと
がありません。
当然、次の英語の授業を皆が心待ちにするようになり、「今日は
英語がある」というだけで、学校に行くのが楽しみになる_ という
ような、具合だったのです。
(写真は本文とは関係ありません)
また、小テストの時などによい成績をとった生徒は、プリントの端に
ちょいとした絵を描いてもらえるのが嬉しくて、皆一生懸命に良い点
を取ろうと頑張ったりもしました。
このようにして初めての英語の授業を受けることができ、英語に
対して抵抗感どころか、大きな親しみを感じることができたことが、
いかに幸運であったか_ ということを小生が理解できたのは、
もっとずっと後になってからのことでした。
小生はこの先生がもちろん大好きでしたが、実を言うとこの先生も
小生のことを気に入ってくれて、特別に贔屓にしてくれたように思い
ます。(小生の勝手な思い込みか?)
(写真は本文とは関係ありません)
そして、この素晴らしい先生は次の年に教師を辞め、以前から
目指していたと思われる、児童文学作家になられたのです。
その後、いろいろな場面で先生の書かれた作品に出会う度に、
小生は当時の授業の様子を懐かしく思い出さずにはいられません。
また、最近になって知ったことですが、この先生は大学を出た後
すぐに、何らかの事情で本来の希望とは違う、英語の教師になり、
しかもどういうわけか、(大阪から)名古屋の中学校への赴任で、
結局たった5年間だけ教師を勤めた後、作家への道に進まれた
ということです。
つまり、小生がこの先生の最後の1年に英語を教えて頂けたと
いうのは、少々大袈裟に言えば、奇跡のような確率の出会いで
あったと言えます。
(先生のデビュー本です)
因みに、この方は今江祥智先生と言い、10年程度前には
紫綬褒章や旭日小綬章を受章され、そしてとても残念なことに、
今年の3月にお亡くなりになりました。
(今江先生の話はこれで終わりですが... この項つづく)