さすらいの茶人 茶道

さすらいの茶人_11(無人の城)

丑寅櫓の遠景

 以前お話ししたことのある、伝想庵へ行こうとした時のことです。
近くに城らしき物が見えます。 ちょっと寄ってみよう、 と車を止め、
すぐ下まで歩いて行くと、「櫓開放」と書いた立て札がありました。
櫓とは、この城のようなものらしく、どうやら中を見物できそうです。

 小生、特に城を見るのが趣味とかいうわけではありませんが、
なんとなく不思議な雰囲気を感じて、ともかく狭い階段のような小路を上ります。

丑寅櫓の立札

 さて、息を切らせてやっと登りきった先に小生が見たものは、
確かに城(本当は櫓)ですが、なんだかとても小さいのです。 
それに、誰もいなくて、入口の戸も閉まっています。

 まあ、想定内でもありましたので、大してがっかりもせず、
その辺の土塀にある銃眼から、下の景色を見たりするぐらいで満足して、
帰ろうかなと思いましたが...  いやひょっとすると、 と思い直して
入口の戸を引いてみると、これが簡単に開きます。 

丑寅櫓の正面

でも、ただそれだけです。
どう見ても人が見物するようにはできていません。 つまり、パンフレットが
置いてあるとか、注意書きがあるとか、案内のおばさんがいるとか、そういう
気配がまるでありません。 というより、よく見たら照明設備すらなく、
おまけに、ほとんどの窓が閉めてあります。

 つまり、戸口のところ以外は真っ暗です。
 
丑寅櫓の土間

 普通はここで帰ります。 おまけに小生は小さい頃からどうも臆病なところがあり、
暗い所が苦手で...。 
 
 でも、好奇心も人一倍強いのです。 (つづく)

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