異端の茶会_20(芋虫行進)

茶会7

 一つだけ気にかかっていたこととは、
せっかく「茶会」のつもりですから、客の中の一人くらいは着物を着て来て
欲しい_ ということです。 もちろん、客の服装を指定するなどは、今回の
茶会の趣旨に著しく反します。 でも、それらしい雰囲気は出したいものだ
と考えてもいたのです。

 それ故、本日の正客であるC家夫人がきっちりと和服に固めて現れたのを
見た時は(前回と同じく、やかん片手にあわてて家の中に飛び込みながら)、
「よしよし、これで舞台は整った_」と胸をなでおろしたものでした。

 さて、どうやら客は6人全員揃いました。
例のごとく、まず一階の小生の仕事場を利用した寄り付き(待合室)に
入ってもらいます。
 またまた、亡父の書いた絵(今回は鐘馗様)を掛けましたが、その他に
飾るべきお茶道具など持っていませんので、ちょうどテーマでもあり、
(息子用の)兜飾りを置いてみたところ_ 
 うん、 なかなかいけてるような...。

待合2 

 隣の部屋で白湯などを準備していると、友人達の声が聞こえてきます。
「これは何だ、会記? 何が書いてあるのかさっぱり解らんな~」
「○○家はお茶の飲み方とかご存知?」
「そんなもの知るもんか」
「あっ、ここに名前を書くんじゃないですか」
「よし、俺にまかせておけ」
「彼は一体いつからこんなことを始めたんだ。 新興宗教か?」
(何だか、言いたいことを言っています...)

 白湯を運びながら大真面目に挨拶をし、本日の簡単な粗筋を説明したの
ですが、ここが肝心なところで、ここをいい加減にやってしまっては、以降の
雰囲気が一気に壊れそうです。 何せもう幕は上がっているのですから。
 下を向いて必死に笑いをこらえている友人もいます。 _冗談じゃない、
こっちだって何も好き好んで... いや、好き好んでやっているのですが。

「では、時間になりましたので、正客様より2階のお席へどうぞ。
 その際、少し時間を空けて、お一人ずつ順々にお上がりください」

 というわけで、客が出ていくのを隣の部屋で待っていたのですが...
?? 何だか客の気配がこちらの予想と随分違っているようです。
そっと後ろから様子を窺って見ると_

 なんだ なんだ、   (何をどう聞き違えたのか) 我が家の狭い階段を、
6人全員がまるで芋虫のように連なって、押し合いへし合い上って行くでは
ありませんか。 (つづく)

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