閑話諸口

東京への長旅-4(音楽祭の偽来賓)

  都下の某駅

 東京都下の某目的地まであと少しという駅まで、散々時間をかけて
やっとたどり着いたというお話の続きです。
 さて、その某所まではあと数キロメートル程度なのですが、JRはもとより
バス路線も無く、タクシーが一番便利であろうものの、勿体無いお化けが
出そうですし、さりとて歩くには少々遠いといった、とても不便な場所です。

 でも有難いことに、その目的地からは送迎のバスが来てくれますので、 
それなら何も問題は無いといいたいところですが、残念ながらそのバスが
到着するまで、1時間近く待たねばならぬ_ ということなのです。
 やむなく、駅の近くで時間をつぶすことにして、その辺りを少しあるいて
みました。

 ふと見ると、「呈茶」の看板が目に... 
というと話がうまいのですが、残念ながらここは、呈茶に関して小生とは
相性の最悪な東京です。 (「呈茶 in Tokyo」参照)

 その代わりに、近くの公園で市民音楽祭のようなものをやっているようで、
生ギターなどを抱えた若者が集まっています。
 音楽好きの小生は、さっそく(抹茶の代わりに)缶コーヒーなどを買って、
それを飲みながら見学することにしました。

  市民音楽祭2

 この時間はまだリハーサル中で、関係者以外はほとんど人がいません。
そのうちにバンドのメンバーが近付いてきて、パンフレットを渡してくれたり、
いろいろと話しかけてきたりします。

 舞台の前には折りたたみ椅子がたくさん並べてあり、つまりこれが
観客席になるのでしょう。 
 「そこ、座ってもいいですか」と訊くと、「どうぞ、どうぞ」と席の真ん中へ
案内してくれました。

 その結果_
そのあと、いろいろなバンドが次々にリハーサルを開始したのですが、
観客は真ん中に小生一人だけですので、当然みんな小生の方に向かって
演奏します。 ひょっとすると、小生は招待された「町長」か、あるいは
某プロダクションのスカウトか何かと勘違いされたのかもしれない_ 
などと思いながら見ていたのですが、何だか、小生はいつもこのような
シチュエーションにいるような...。

  市民音楽祭3

 ところで、一体小生はここで何をやっているのだろう。
確か大切な用事があって、はるばる名古屋から出かけて来たはずだが、
 で、はっと気がつくと、もうバスの時間になっています。 これに遅れたら
もう1時間待たねばならぬ、と(町長の化けの皮がはがれるのも気にせず)
観客席を飛び出して必死に走って駅までもどり、危うく送迎のバスに乗り
込みました。

 こうして、無事に目的地に到着し、都合4時間半以上の東京への長旅は、
やっと片道が終わったのでした。   ふ~ ヤレヤレ。

 おっと、 これで今回の話は「おわり」のつもりだったのですが、もうひとつ、
ぜひ書いておきたい話があったのを忘れていました。
 (よって、この項もう1回つづく)

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