茶道 茶の湯余聞

茶の湯余聞_4(正座のバリア)

 先日久しぶりに大寄せ(多人数の略式茶会)へ行ってきました。
まあ、たまたまカミさんがチケットを持っていたので、ちょいと
暇つぶしに行ったのですが、久しぶりで顔を出すと何となく意識
過剰というか_ 構えてしまって、どうもいけません。

 茶会13

 自分に余裕がある時は、堅苦しくならぬよう、格好をつけず、
素人らしく自然に振る舞えるのですが、今回はどうということの
ない普通の大寄せにもかかわらず、妙に力が入ってしまって、
大仰にそれらしくお辞儀をしたり、肩肘張ってお茶を飲んでいる
自分が、何というか_ 小物に思えて嫌になったものでした。

 それよりも小生を悩ませたのは、正座のつらさです。
ちょっと中途から席に入ったこともあり、ほんの2~30分の間
正座していただけですが、それでも立ち上がる時のつらさは尋常
ではなく、さらに帰るときにもう一度、道具の前に座りなおした
時の痛さといったら_ もう思わず「○×△!!」と喚きそうに
なった程です。

 何故に、わざわざ(金まで払って)せっかくの休みの日に、
こんな痛い思いをしに出かけて来なければならいのか...

 以前にもお話ししましたが、小生は茶道の普及の最大の敵は、
(腹黒茶人はともかく)「正座」であろうと考えています。
若い人が正座が苦手なのはもちろん、足が悪い年配の人は結構
多いようです。

 各流派でもそれなりに、立礼とか胡坐をかいて座る方法とかを
考えているようで、それはそれとして結構なことでしょう。 しかし、
そうではなくて、正式の茶事に、または普通の茶会に、足の悪い
人も行けたらよいが_ とも思うのですが。

 公共の場に、バリアフリーとか点字が用意されているのは、つまり
例えば車椅子を使用している人にも(専用の特別な場所ではなくて)
普通の場所を同じように利用できるということを目指しているのだと
考えられます。

 正座5

 同様に、例えば茶会にも正座を助ける器具(いろいろありますよね)
のようなものを用意しておき、「正座の苦手な人は、御自由にお使い
ください」などと書いてあれば、我々は安心して出席できそうですが、
そんな茶会にはお目にかかったことがありませんので、少なくとも
そういう茶会はほとんど無いと言えそうです。 
小生が知らぬだけなのかもしれませんが...。

 つまり、大袈裟に言えば、正座のできぬ(足の悪い)人にも、
「茶会の開放を!」 というようなことです。

 でも、よく考えてみれば_  作法を知らぬ素人はもとより、
稽古が足りぬ新参者すら締め出そうという雰囲気漂う茶会が多い中、
そんなことを望むのはとても無理な話でしたか。

 おっと、ついつい例のごとく愚痴っぽくなったようで...(この項おわり)

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コメント

  1. さくら より:

    はじめまして!

    楽しく記事を拝見させていただきました。
    特に「異端の茶会」がとても気に入りました。

    正座が苦手とお嘆きなので。。。
    私は、茶道の入り口を入ったり出たりする程度で、本格的に稽古をした事が無いのですが
    近くのお茶会に数回行った事がありますが、こちら(栃木)では、ほとんどの茶席で正座の出来ない方の為の準備がされています。
    低い補助いすのこともあれば、広いお部屋では、普通のいすが末席の方に置かれています。
    先日のお茶会では、いすが多すぎて不要なので、お客様達がいすを外に出されるという事態もありました。

    そちらでも、このような事が広まるといいですね。

  2. kitapon より:

     さくらさん、コメントをありがとうございました。

     そうですか。 ほとんどの茶席で_ とは驚きです。
    やはり、所違えば様子も違うのですね。

     茶事などで長時間正座が必要なときは、(私は)とても無理
    ですので途中で胡坐にしていますが、短時間の大寄せでは、
    かえって崩しにくいような雰囲気を感じます。
     そういえば、今までに大寄せで足を崩している人を見たことが
    ないような...。

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