招待に対する礼状を書かねばならなくなった小生ですが、
手紙などもう何年も書いた覚えがありません。
それに、どうせ書くならやはり毛筆でしょう。 などと考え、
さっそく少し練習してみました。
書きあがったものを見ると... ウーム こんなものを
送っては、最初から全てをぶち壊してしまいそうです。
よく考えてみれば、練習して書こうというのは、元来ある程度
書ける人が、最近書いてないから「ちょっと練習」というもので、
もともと毛筆で手紙など一度も書いたことがないという小生が、
必要になったからといって急に練習しても、まともに書けるはずも
ないのが道理というものです。
まあ、筆ペンなら何とかなるかと思いましたが、これも大差
ありません。 ボールペンというのもいかにも味気ないので
結局、限りなくボールペンに近い書き味のサインペン、という
ところに落ち着きました。
この時、あぁ毛筆が使えたらなあ、と思ったことが、小生の心に
何というか、ある種の感慨として残り、これがだんだん形を変えて
増幅していくことになるのですが、この時はまだ、大して気にも
していなかったのです。
さて、苦労して礼状を出し終わると(挨拶に伺うのが正式との
ことですが)、何だかもう半分くらい難問を解決したような雰囲気で
結構気が楽になりました。
後は茶事とやらの正体を理解し、恥を掻かぬように作法というか
手順を覚えればよいわけですから。
例の如く行きつけの図書館で、それらしき本を一杯借りてきて、
寝る前に布団の中で読むことにしました。
でもすぐに眠くなってしまい、毎晩、何度も最初のところばかり
読んでいるような気がします。
おかげで茶道の歴史などという、今特に必要と思われぬ事柄に
妙に詳しくなってしまいました。 (つづく)