異端の茶会_21(不発の宝探し)

 2階の玄関を入ってから、席(我が家の和室)までの廊下と途中にある居間は、
例のごとく暗くしてあります。
 で、一人ずつ入って来た客が「おっ、ここで手を洗う(おしぼりを使う)んだな」
とか、「この部屋へ入ってもいいですか~」といった具合に、うろうろしながら
席入りするのも宝探しのようでおもしろかろうと考えたのです。

沓脱ぎ

 これに関しては小生自身がとても わくわくした経験 があるので、なんとか
あの雰囲気を感じて欲しいと思い、わざわざ「お一人ずつ、間を空けて」と
説明したはずなのに... 
 何故に芋虫状態になってしまったのか、さっぱりわかりません。

 ひょっとすると、何やら前方に危険を察知して、前の人に「はぐれまい」、
一人だけ取り残されては敵わない_ といったような本能が働いた_かな?

 まあ、この程度は充分に想定内でしょう。
というわけで、あっという間に席入りが済み、一幕のドラマ あるいは新種の
ゲームのはじまりとなりました。

 亭主(カミさん)の「ようこそおいでくださいました」の挨拶に対して、正客が
「ご招待にあずかりまして、誠にありがとうございます」などと、結構本格的な
滑り出しです。
 普段は「へえ~そうなの」とか、「おい、冗談言ってんじゃないよ」などと言い
あっている仲間が、気取って挨拶している様子は、多少の気恥ずかしさも
無くはないのですが、新たな世界に興味津津といった風情も感じられます。

 また、さすがに小生の友人達は当方の意図を察知したのでしょう。
うまく調子を合わせてくれているといった様子でもあったのです。
つまり_ 茶道の作法など全然知らぬ友人達にとっては、あたかも即興劇の
舞台に引っ張り出されたようなもので、それでもうまく相手を務めてくれている
といったところでしょうか。

 炭点前(炭の火を継ぐ様子を見せるもの)が始まります。
本来は客が炉壇の周りに集まってきて、「ほうほう、なるほど...」と鑑賞する
はずなのですが、残念ながら誰も集まってきてくれません。
 止む無くカミさんが一人でゴニョゴニョとやることになりました。

  水屋3
 
 これなども後から考えると、ちょっと一言声を掛ければよかったのですが、
そのときのカミさんは誰も集まらぬことにびっくりしてしまって、どうしたものかと
迷っているうちに点前が済んでしまったということのようです。

 確かに、「さぁ皆さん、こちらに集まって私が今からすることをご覧になって
ください」などとは、慣れてないとなかなか言いにくいような気もします。

 さて、食事の段になり、小生が例のごとく水屋で必死になって準備をしていると、
友人の一人が部屋の中から、こう声を掛けてきました。

 「お~い、そんな処に勿体ぶって隠れていないで、出てきて一緒に
 食べたらどうだね」 (つづく)

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