茶道を覗けば_6(勇者の危機)

佐喜知庵の迷路

 そこで小生が目にした魔王は、一見上品で和服のよく似合う、
かなりご年配の女性(のような外見)で、思わず身構える小生に、
「どうぞどうぞ、お部屋にお入りください。」と、穏やかな物腰で、
未知の部屋へ誘い込もうとするではないか。

 「いや、まあその、私はこちらの縁側で、ムニャムニャ...」と、反撃したものの、
抹茶を飲みに来て、たった一人の客が部屋の外の廊下で飲むという図は、
あまりに間が抜けており、「さあさあ、どうぞこちらへ」と誘導されるまま、
気がつけば、いかにもお茶を飲むタイプの部屋の、こともあろうに床の間の前に
一人で座らされていたのでした。

佐喜知庵の茶室

 「せっかくですから、ぜひお点前(おてまえ)をご覧になってください。」
たたみこむような攻撃の前に、小生なすすべをしらず、「いや、私はそんなつもりでは」
「ちょっと抹茶を飲もうとしただけで、それ以上の敵意は特にムニャムニャ...」

 ところで、「お点前」とは何だろう。

 小生は、小さい頃から抹茶をいつも飲んでいたことは確かで、飲んだ量だけなら
そこいらの茶道の師匠よりも多いかもしれません。
但し、それはただ飲んだだけで、茶道の作法とか、専門用語とかは、この瞬間まで
ほとんど見たことも聞いたこともありませんでした。
(飲む時に茶碗を回すらしいということが、茶道に関する知識のすべてでした。)

 最近、外出先で時々抹茶を飲む機会があったとはいっても、適当に椅子に腰かけたり
他の客と一緒に胡坐をかいているところに、普通の格好をした人がお菓子と抹茶を
持ってきてくれるので、それを景色を眺めながらとか、ややもすると本を読みながら
適当に飲んで、「ごっそうさん」とか言って帰ってくる、というパターンでした。

 今回はどうもそれではとても済まされない雰囲気です。
さあ、どうする。 このままでは、身の破滅かもしれない。 (つづく)

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