(それは、こんなお話です...)
いろいろないきさつから、小生はかなり本格的な茶事に出席すること
になりました。 亭主(招く側)は、茶人の間でかなり人気のある高名な
師匠で、同席者も相当なヴェテラン、または師匠と呼ばれる立場にいる
お歴々とのことです。
こんな風に書くと、小生のことを、
なあんだ、素人の振りをしているけど、実はかなりなヴェテランに違い
ない_ などと思われるかも知れませんが、 いやいや、そんなことは
ありません。 小生はやっぱり間違いなく、本物の素人なのです。
初めて出席した茶事のドタバタについては、茶事とは難題ですでに
述べましたが、今回はそれ以来の、小生にとって生涯2度目の茶事
になります。
本来ならとても、小生のような何も作法を知らぬものが、出席できる
ような催しではないのですが、例のごとく、小生の旺盛な好奇心と、
たまたまの巡り合わせで、普通ではありえないような機会が実現した
というわけです。
実は前回の茶事が終ったあと、こういうものは一度経験しておけば
充分ではないか_ などとも思っていたのですが、今回の茶事は、
かなり茶道を永く続けている茶人でも、なかなか出席する機会がない
というようなタイプの茶事であるとのことで、小生にとっては間違いなく
最初で最後の経験であろうと考え、(同席者への迷惑はさておき)
出席させて頂くことにしました。
普段はいろいろと偉そうなことを言っていても、いざ茶事となれば、
小生が必死になって作法を覚えたことは言うまでもありません。
何しろ前回の茶事から、もう何年も経過していますので、ほとんど
手順を忘れており、またまた最初からやり直しです。
(写真は淡交「別冊・茶懐石」より)
図書館で一杯本を借りてきて、寝る前に同じページを何度も読み、
ちっとも前に進まぬうちにだんだん「その日」が迫ってくる_
まるでデジャヴのような日々を送った後、ついに当日の朝が来ました。
例のごとく開き直った小生は、恥などかけばよい、折角の機会だから
充分に茶事を堪能して来よう_ と、勇躍 家を出たのでした。(つづく)