食事のあとは、そのままの場所で主菓子が出てきました。
折角の縁高が、テーブルの上では雰囲気が出ないなぁ、などとやや不満に
思いながら…… はっと気が付けば、いやそうではなくて、これは小生の
膝を気遣って、なるべく座らずに済むようにと、この場所にしてくれたの
でしょう。
ここで再び(後座の)席入りのために、テラスを通って草履を履こうと
して、さっきは気付きませんでしたが、何やら綺麗な花が飾ってあるのが
目に入りました。
おや~、これは、つわぶき(石蕗)ではないか!
植物の名前などほとんど分らぬ小生が、何故知っていたか、何故驚いたか
というと、これには少々訳があるのです。
小生が最近読んでとても面白かった小説に、主人公の茶道家元の息子が
内弟子の老人に、茶庭で育てている花の説明を訊く場面が出てくるのですが、
そこで「坊ちゃん、石蕗は食べることもできるんですよ」などと言う会話が
あり、これが伏線になって、この主人公が山の中で食べるものが無くなった
時に「石蕗は食べられるんだ!」と思い出す_というような話があり、結構
頭に残っていたのです。
そして、つい2~3日前のこと、小生が近くの公園を散歩していると、
足元に生えて居る草花のなかで、何故か1つの花だけ花名を書いた木札が
付いており、それに「つわぶき」と書いてありました。
へえ、これが「つわぶき」なんだ、ふ~ん… というようなことがあった
ばかりだったので、 ここで出会ったのは何か不思議な縁があるような気が
して嬉しくなってしまったというわけです。
だって、これ以外の草花だったら名前が分からないのはもちろん、目にも
留まらなかったでしょうから。
そう言えば、第一回の茶会の時に、「ほととぎす」が活けてあるのを見て
「これ知ってる!」と喜んだことがありましたが、考えてみれば、季節の
草花なのでしょうから、そういうことがあってもそんなに不思議では無いの
かもしれませんね。しかし殆んど花の名前など知らない小生には、こういう
経験は滅多にないので、とても不思議に感じるのです。
(でも、ひょっとすると「つわぶき」でなかったりして…)
さて、後座の席入りとなりました。 今回は初めて棚が出ています。
(この項つづく)
コメント
なんとも味わいのある花器
つわぶきの葉の深い緑と はっと目を引く黄色の花が
とても良く合いますね。 美しい!
そうですね。色の取り合わせが印象的ですね。
ところで、ブログを読んだ姉からメールがきて、実家の庭に(昔から)ある
とのこと。さっそく実家で確かめたところ、なるほど大きなつわぶきが一番
目立つような場所に生えていました。 今まで全然目に入りませんでしたが。