異端の茶会_7(可哀そうな掛け軸)

 掛け軸は床の間のそれらしい部分に掛けるのが普通なのでしょうが、
我が家の茶室には、もちろん床の間などという洒落た物はありません。
 襖の鴨居に釘でも打って、掛けたらどうかと思いましたが、襖の前に
掛け物があってはいかにも変です。

襖

 どうやら、壁の部分の中央に持ってくるのが一番ぴったりしますが、
壁(最近の家に多い、偽物の壁)に釘は打てませんので、壁の一番上
に(何という名前か知りませんが)少し見えている木の枠のような部分
に打つことにしました。

 正式には中釘とか花釘とかいうものを打つらしいのですが、勿体無い
ので、その辺にある釘を打ってみましたが、これではいかにも掛軸が
可哀そうにも見えました。

 ふと思いついて、鉛筆を釘の長さ程度に切って中の芯を抜き、そこに
釘を通して打ってみたところ、結構いけそうです。
 外側の色のついている部分をカッターで削り取ってみたところ、木の
肌が出てなかなかの雰囲気なので、まあ、当分はこれでいくことに
しました。(当分のつもりが、実際には今でもそのままですが)

 さて、軸を掛けてみると_ とても変です。
つまり、位置が上過ぎるのです。 

 よし、それならば、何か上から下げる物をこしらえて...
などと言っている内に、何だか段々みじめな気分になってきました。

 で、結局どうなったかというと、こういう場合に便利なような、板状の
垂撥(すいはつ)という道具があり、これを(購入して)使う事で、まあ
そんなにみじめではない_ ようなことになったのです。

垂撥

 ともあれ、たった1本しかない自慢の軸を掛け、さっそく一服頂いた
気分は_ もちろん、言うまでもないでしょう。

 こうして、自分たちだけで「茶室ごっこ」をしている内は、まことに
たわいも無いもので、何の問題も起ころうはずがなかったのですが、
ある事がきっかけとなり、 話は予想もしない方向へ展開することに
なってしまったのです。   (つづく)

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