え~と確かこの辺でお仕舞いの挨拶を言う段取りのはずだが...
「お続きいかがですか」
「あっ、もう一服お願いします」
と、これは本当にもっと飲みたかったのですが、では私も私もと
いうわけで、全員追加注文といったことになり、亭主側は大わらわ
の様子です。
やっと、「どうぞお仕舞いください」で仕舞い付けがあり、水差しの
蓋が閉められ_ ここで小生、今度こそタイミングを逃すな!
「恐れ入ります。お棗とお茶杓の拝見を...」
えっ、それは想定外_ といった動揺が、亭主側に見られたような
雰囲気で、それでは私が_と、次の亭主に交代します。
で、何だかよく解らないまま、棗と茶杓が連客に一通り回り、
「お棗のお好み、お形は...」
「○○○○○○」
「お茶杓のお作は...」
「△△△△△△」
実は小生は質問するのに一生懸命ですから、何と返答されたか
とんと覚えていないのです。(なんのこっちゃ)
いやそれよりも、3個ぐらい出てきた茶碗がとても気になったので
もう1度よく見せてもらいました。 瀬戸黒とか黄瀬戸とかいった風な
重厚な深い茶碗で、地元(美濃)の作家のシリーズ物だそうです。
これらは小生には大変気に入った茶碗でした。
本当は織部らしき水差しも面白い様子で、後からゆっくり見ようと
思っていたのですが、あれやこれやのうちに忘れてしまいました。
やっぱり、道具の拝見は自分が見たい物を見るのが一番_ かな。
(いやいや、相手が見せたい物を見るのが一番かもしれない)
ということで、正客としては やり残しが一杯の茶会も、そろそろ終了
の時間が近づいたようです。 (この項つづく)
コメント
溢れる見識と教養の餡子を、面白可笑しい薄皮でくるんで
サラサラ読ませるなんて、とってもできない芸当だと、
いつも恐れ入っております、というか、楽しませていただいてます。
「やっぱり、道具の拝見は自分が見たい物を見るのが一番_ かな。
(いやいや、相手が見せたい物を見るのが一番かもしれない)」
亭主もやはり同じようなことを思うのでしょうね。
寝ずに考えたこの道具組のアイディアだけど、
解ってもらえるだろうか、楽しんでもらえるかな。
それより、お客様の意表をついた問にドンとお答えできるかしら。
そうだ、アレもコレも、もう一度調べなおさなきゃ。
など、など・・・・
それにしても、織部の水指ステキです!
ナンテン菊の花さんコメントありがとうございました。
身勝手な思いつきを、書きたいように書いているこのブログを、とても
好意的に見て頂いているようで大変恐縮です。
(それにしても、溢れる見識と教養とは言われてビックリですが)
相手の立場に立って...というのは、できそうでできないことですね。
このあたりの感想は、次回の投稿で書くつもりでおります。
織部の水差。 そうですね、後から写真で見るとさらに良い物に
見えて、もっとよく見てくればよかった_なんて思ってます。
楽しく読ませて頂きました。
私も今年参加させて頂いたお茶席で、全員2服目を頂くという事があり
初めての事だったので、良かったのかしら?と思っておりましたが
亭主側のご好意でゆっくりと頂くお茶会もあって良いのですね。
同じ様な茶会が開催されていると知り和みました。
サクラさんお久しぶりです。
前回の補助いすの話と言い、そちらでは気の張らない(というと失礼かな)
茶会が結構催されている御様子で、羨ましく思います。
...なるほど、「ゆっくりと頂くお茶会」というのは、よい言葉ですね。
お返事ありがとうございます。
全員二服目を頂いたお茶会は、席主の方が「同じお茶でも茶碗で味わいが変わりますからどうぞお試しください。」と言って、ごちそうしてくださいました。
まだ、遭遇していないのですが、せっかく準備されている煙草盆を使わないのは失礼だからと煙草を楽しまれる方のいらっしゃるお席もあるとかで、一度本当に使われている煙草盆を見てみたいと思っております。
そうですね。私も「茶碗で味わいが変わる」といつも思っていますが、
そう言ってお茶を出してくれるような茶会というのは、いかにも良さそうな
雰囲気が伝わってきます。
煙草盆については、茶席から煙草盆を無くそうという意見もあるようで、
嫌煙傾向の強い現代では、席中での実際の使用は難しそうですね。