(裏千家咄々斎の銅鑼)
さて、準備が整うと亭主が「どら」を鳴らして知らせるとのことです。
もちろん小生はどらの音など(ラーメンのCMは別として)聞いたことが
ありませんので、一体この街中で、どんな具合にどらが鳴らされるのかと
興味津津でしたが、結構大きな音で何度も何度も鳴らされるのを聞いて、
大層感心したものです。
でも、近所の人はびっくりしたり怒ったりしないのかなぁ、もう少し小さい
音でも聞こえますよ_ などと、小心な小生は余計な心配をします。
再び席入りをしたのち、いよいよメインイベントの濃茶となりました。
実は昨夜、カミさんに練ってもらって、初めて濃茶なるものを飲んで
みました。 永年、薄茶は飲んでいるのに、濃茶は飲む機会が無かった
ため、本番で「これは一体何という飲み物だろう」などとうろたえぬように
経験しておこうというわけです。
予想外だったのは、薄茶と違って、簡単にはお茶が口の中に入って
来ないことです。 薄茶のように、濃茶が自重で落ちてくるのを待って
いては思うように飲めないため、有る程度はズズーとすすらないと
いけないようですが、どうも小生はズズーとすする音が苦手です。
濃茶は、一人一椀ではなくて、数人分を一つの椀に入れ、これを順に
回し飲みしていきます。 一人ずつ飲んだ後で、飲み口を拭きますが、
それにしても、できるだけ清潔な雰囲気で行きたいところです。
まあ、密かに思い焦がれている婦人が、隣に座っているなどと言う
場合は、構わないかもしれませんが。
いろいろ飲み方を工夫してみましたが、そこそこ大きな音が出るのは、
どうも止むを得ないようです。
さて、正客(男性)が濃茶を飲みます。
小生は、その所作よりも音が気になりますので、素知らぬふりをしながら
注目ならぬ注聴していますと...
ズズーどころではありません ズルズルズルです。 (つづく)