閑話諸口

乗り物酔いの顛末_3(無用な個室)

  新幹線100系

 最近は無くなったようですが、ひところ100系の東海道新幹線には、
「グランドひかり」という系統が設定されており、これには2階建て車両が
連結されていました。 この車両の2階部分は普通のグリーン席ですが、
1階部分は完全な個室になっており、料金が高いために、この個室を
利用するのはちょっと贅沢だったのです。

 さて、我が家の2人の子供たちがまだ小さいころ、一度だけ少々無理を
して乗ってみたことがありましたが、列車が走りだすとすぐに重大なことに
初めて気付きました。

 この頃の個室は、現在の山陽新幹線のコンパートメントとは違って、
完全に密封された個室になっており、廊下側は何も見えませんので、
窓側から外の景色を見ることになりますが、どういうわけかこの窓が、
座席にすわると頭の位置より上になり、外がほとんど見えないのです。

  新幹線個室

 多分これは、2階建ての1階部分がかなり低い位置にあるため、
駅に停車したときに、これ以上窓を低くすると、ホームの高さより低く
なってしまうのを避けるためであろうと思われます。

 いずれにしても、結果として4人しか座れぬ窓の無い狭い部屋に
閉じ込められてしまった、というような具合になったわけで、小生は
新幹線が走りだすやいなや、あっという間に酔ってしまいました。
 とにかくあわてて個室から飛び出し、デッキのあたりへ行ってみたり、
普通車両の空いている席にすわったりしながら、あと1時間_ 、
あと30分_ と、目的地に着くまでの間、酔いとの戦いだったのです。

 結局のところ、せっかく贅沢して個室に乗ったはずが、その後一度も
そこへ戻ることはなく、こんなことなら、最初から普通車に乗っていれば、
こんなつらい思いをしなくてもすんだのに_ と大層後悔したものでした。

  バス

 いろんな乗り物の中でもっとも手軽に酔ってしまう乗り物といえば、何と
いってもバスが一番です。 そもそも何か乗り物に乗った時、どうなると
酔いやすいかというと、一定のスピードで走らずに加減速をよくする、
真っすぐに走らずに急に向きを変える、不規則な揺れ方をするとか、
室内が狭い、周りが見えない、といった原因があるのですが、バスは
これらの多くをきっちりと満たしています。

  よって、バスは小生にとって交通手段としての最後の選択肢になるの
ですが、それでもやむを得ず市バスなどに乗らなければなくなった時は、
座席に座らずにできるだけ立っているようにしています。
 これは、座るよりも立っている方がはるかに酔わないためなのですが、
バスが空いていて、あまり乗客がいないような時でも、小生は1人だけ
立っていますので、他の乗客の不審そうな視線を感じて、大いにきまりが
悪かったりします。

 最近は時々、(年寄りなので)席を譲られて、止む無く座らざるをえない
ことがあったりするのですが_  これは本当に有難迷惑というものです。

 たまに、疲れていて席に座りたいような時は、いつも一番前の席を狙い
ます。(バスは前の方に座ったほうが酔わないのです)
 こういう時は、例えば小学生ぐらいの子供などが、前の方の席に座ろう
としていても、小生は後ろから押しのけて座ったりするので、まわりから
非難の視線を浴びますが_ いや、こちらも必死なのです。(この項つづく)

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