閑話諸口

乗り物酔いの顛末_1(親父の叱責)

 小生は小さいころから猛烈な乗り物酔いに悩まされています。
バスや船は言うに及ばず、電車や地下鉄、新幹線など、あらゆる
乗り物に酔ってしまいます。  それどころか、TVを見ていて、
船などが揺れているシーンがあると、もういけません。
あわててチャンネルを変えたりしている始末です。

  列車

 小学校の遠足と言えば、小生の時代の子どもたちにとっては、
めったに旅行が出来ぬ時代とて、とても楽しみなビッグイベントで、
前日の夜は嬉しくて眠れぬ_ というのが、まず相場であったもの
です。

 しかし小生にとっては(確かに楽しみな気持ちもあったのですが)、
乗り物酔いのことを考えると、憂鬱な気持ちにならざるをえず、
そして実際に、すっかりダウンしてしまって、先生に介抱されながら
帰宅する、などということが、よくありました。

 「乗り物酔い」とひとことに言ってもいろいろな程度があり、ちょっと
気分が悪くなって食事ができなくなる_ といった軽いものから、
体が異常に固まってしまって、全身汗びっしょりになり、ほとんど意識が
なくなる(気を失ったことはまだありませんが)といった重い症状の場合
まで、さまざまなのです。
 
 乗り物酔いの経験のない人が、「先日、船に乗ったら体がフアーと
なったけど、あれがきっと乗り物酔いなんだろうね」というのを聞いて、
「そりゃ単に船が揺れただけでしょう」と、呆れたことがありますが、まぁ、
酔わない人にはこの苦しみは決して理解できないのかもしれません。

  ボート

 薬を飲んだらどうだ、という人もいます。
もちろん小生も酔い止めの薬を何度も飲んだことがありますが、一度も
効いたためしがないのです。
 いや、こんなものは気持ちの問題で、効くと思わなければ効く物も効か
なくなるに違いない、と考えて、
「今日は薬を飲んだのだから、酔わないぞ、酔わないぞ」
「...でも、今まで効いたことがないし」
「いや、もしかすると、今日こそ、効くかもしれない」
「...でも、ちょっと気分が悪くなってきたような」
 こんな葛藤をしているのですが_  これでは効きそうにもありません。

  車

 小さい頃よく親父に「乗り物酔いとは男のくせに何とだらしないやつだ。
そもそも、お前は偏食だから...」などと、叱られたものですが、乗り物
には酔うは親父には叱られるはでさんざんです。
 ところが、実はつい最近になって解ったことなのですが、小生の5人の
兄弟姉妹のなかで、何と2人だけは乗り物に酔わぬのですが、あとの
3人は程度の差こそあれ、乗り物に弱いということが判明しました。 

 何のことはない。
これはつまり、小生の乗り物酔いは、明らかに遺伝によるものであり、
結局のところ、その責任の一端は(小生を叱っていた)親父にあった_
というオチだったのです。  (この項つづく)

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