茶道 茶の湯余聞

茶の湯余聞_8(不思議な桜まつり-4)

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 あいかわらず、のんきに投稿しているうちに、すっかり桜の季節が終って
しまったようです。 いけない、なんとしても今回で話を終わらせなければ…
 ともかく、お点前付きの抹茶を頂こうというお話のつづきです。

 ところで○○町などというと、「ご町内の皆さま~」というような「町」に
聞こえるかもしれませんが、ここはそうではなくて、□□郡○○町という比較的
大きな単位の自治体です。
 でも、くどいようですが、この辺りは本当に何も無さそうな静かな雰囲気漂う
土地柄で、小生のように「何かないかな」とキョロキョロしながら通らなければ
決して気付かぬような小さな看板が出ていただけなのです。

 で、お点前が始まりました。主催者側を観察すると、半東さんというかお客様
接待係のおばさまが2人いて、どうやらどちらかがこの社中の師匠といった
ところ。 点前をしているのは、やや初心者か。さらに運び役らしき娘さんは、
若いが結構修業は出来ているぞ_ などと、いい加減な品定めをしながら
菓子を頂きます。

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 この4人に対して客は小生一人ですから、何だか特別の客のような感じです。
ひょっとすると小生を、視察に訪れた町長さんか何かと勘違いしているのかな、
そんなこともあるまいが_ などと思っていたら、どうも入口の方が騒がしく
なり、別の客が来たようです。
 
 間もなく、4~5人の正装した人たちが入ってきました。
先頭の男性は結構な貫禄が漂っています。 半東のおば様がすぐに近寄って
「これはこれは町長さま、ようこそいらっしゃいました。今ちょうど点前が
始まったところです。ぜひご覧になっていってください」...。

 というわけで、町長一行がズラリと片側の毛氈の上に座り、にせ町長の
小生はというと、その向かい側の床の間の前の毛氈に一人だけ相対する形で
座ることとなり、いや~どうも落ち着きません。
 おっと、町長と目が合ってしまいました。 「えへへ_」と卑屈な愛想笑いを
浮かべたりしながら、なに、茶道の前では本物も偽物もないのだ_などと
見当違いのことを考えて勝手に力を入れています。

 抹茶を頂きながら町長一行の会話を盗み聞いたところでは、この「まつり」に
東京からバスで観光に来る(5時間位はかかりそうですが)ような団体もある
とのことです。 う~む、やはり相当な祭りなのか...?

 *****

 まあ、そんなこんなで、点前は見たし、抹茶は飲んだし、町長と対決もしたし、
(満開の少し前だったようですが)立派な枝垂れ桜は観賞できたし_

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 そういえば小生は、花見にするか抹茶にするか、さんざ悩んだ挙句に、
偶然ここへ迷い込み、結局、僅かな時間で両方とも手に入れることが
できたわけで、 いやいや、まことに運のいい一日でした。    

 ところで、帰る時ふと思いついて係りの人に
「この祭りは今日だけですか?」 と聞いたところ、
「い~え、今日が5日目で15日間やってます」 ・・・!!? (この項おわり)

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