カミさんが炭点前(炉の火に炭を継ぐ様子を見せるもの)をしている
間に、料理(点心)の用意をします。 午前の席は、先に述べた助っ人
の奥さんがやってくれますので、小生は午後の席に備えて必死に
やり方を覚えます。
もちろん、今から作り始めるわけではなく、あらかじめ殆んど用意して
あるものを、貼っておいた手順書を見ながら、器に盛ったり、吸いものを
温めたりするのですが、何しろ「つわもの」の小生ですから、理屈では
解っていても、ガスの火さえ恐る恐る点けているような始末なのです。
それにしても、こんな輩が水屋(台所)で用意をしているとは、まさか
誰も想像できぬだろう...などと一人で笑っている場合ではありません。
何故、もっと練習しておかないのだ! と言われそうですが、最初は
その予定だったものが、茶会が近くなってくると、いろいろと忙しくなり、
気がついたら当日になっていたという具合なのです。
カミさんも必死です。
福の顔?で席を退出してくると、鬼の形相に変わって次の用意をします。
こんなことを繰り返していると、つい福の顔で用意をして鬼の形相で席に
入って行く_ などということがないかなぁ などと、つまらぬことを想像
して、一人で笑ったりしている場合ではありません!
そんなこんなのうちに、どうやら食事が終ったようです。
カミさんが引いてきた食器類を、とりあえずその辺に積み上げておいて、
用意の菓子を手渡しておいてから、すぐに一階に降りて行って、次の
中立ち(なかだち:途中の休憩)用に、手あぶりの準備などをします。
お客様が降りてくるのと入れ違いに(足音を忍ばせて)二階へ上がり、
後座の席用の入れ替えを手伝い、例の如くおしぼりの用意をして、
そろそろよいかな_ お客様を迎えに行きます。
**********
...とまあ、こんな具合に嵐のような時間が過ぎ去り、とにもかくにも
無事に午前の席が終りました。 せっかくですから、みんなで記念写真
を撮ったりして、やれやれ少し休憩... 。
助っ人の奥さん、大変ありがとうございました。 後は心細いながら、
小生が一人でやります~~。 _本当に大丈夫かいな。
おっと、呑気に構えているほどの時間はありません。 そろそろ次の
用意をしないと、午後の席のお客様が到着してしまいます。 (つづく)