茶道 異端の茶会

異端の茶会_11(茶杓「旅立ち」) 

 招待する人は段々増えて、とうとう12人になってしまいました。
ええい、こうなれば5人でも12人でも一緒だ!(全然違いますが)

会記

 結局、6人ずつ午前と午後の二席としました。 
さすがに懐石(フルコースの料理)は人手から考えても無理なので、
点心(略式の料理)で我慢して頂くこととし、それでも椀物や酒など
できるだけ用意することにしました。

 主茶碗(つまり拝見して頂くメインの茶碗)になりそうなものは、全然
ありませんので、これは借りなければどうしようもないかな_と考えて
いたのですが、たまたま出かけた骨董市で、とても気に入った茶碗が
あり(新品の釘彫伊羅保に見えます)、思い切って購入しました。
 この茶碗は、今日に至るまで我が家で一番の茶碗で、小生の自慢の
「道具」になっています。 (でも、1万円もしないのですが...)

 茶杓(茶をすくうための竹のスプーン)は、知り合いの茶人が、今回の
茶会用に削ってくれました。 さらに師匠がこれに「旅立ち」と命名し、
筒書(つつがき)まで書いてくださったのです。

 話が前後しますが、小生の古くからの友人に、都会の生活を嫌って、
山の中に住んでいる者がいます。 ここへ遊びに行った時に、たまたま
炉に入れる灰がなかなか手に入らずに困っているという話をしたところ、
これでどうだ_ と、びっくりするほどたくさんの灰を、大きな袋に詰めて
持たせてくれました。 帰ってカミさんに見せたところ、これなら充分に
炉灰として使えると大喜びです。
 なぜそんなに立派な灰がたくさんあったかというと、彼は自分で薪を
割ってストーブを焚いており、そこから造り出された灰が貯めてあった、
というわけです。

 一時が万事この調子で、とにもかくにも、「精一杯」を次第に増やして
いくうちに、小生得意の日和見も今やほとんど顔を出すことも無くなり、
難問を一つずつ解決していくのが、なんだか楽しみになってきたような
気さえします。

 それにしても、「自分たちだけで...」 などというのは、意気込みと
してはよいのでしょうが、(茶会に限らず)人の世は大なり小なり、他人
の手助け無しには成り立たぬと、今さらながらに感じる日々でした。

 そして_
 ついに当日の朝を迎えたのです。

軸と花

 軸は、もちろん一本しかない「和敬清寂」を掛けます。
後座(茶会の後半)用の花は、近くに住む親戚の伯父さんが、庭から
切ってきてくれたもので、妙蓮寺椿と はしばみだそうです。
(はしばみ? あいかわらず花の事はさっぱりわからぬまま...つづく)

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