茶道 稽古遠望

稽古遠望_1(花子の庭掃除)

撞木館5

「花子、庭掃除をやっておきなさい」
「はいっ! わかりました。 お父様」 などという光景は、今や
どこの家庭でも、とても見られぬようです。

「花子、庭掃除をやってくれないかなぁ」
「え~なんで~ 今マジ忙しいし~」
とか、
「なに、それ。 バイト代くれるの?」
だったりして。

 この違いは何が原因だろう。
どう考えても、こういう子供たちが生まれてくるようになった、とは
思えません。 そうではなくて、こういう子供に育てるようになった
と考えるのが自然でしょう。
 つまり、育てる側の責任です。

 知り合いの(あるお稽古事の)先生が嘆きます。
生徒が時間になっても来ないので、どうしたのかと待っていると、
生徒の親から電話があり、急用ができたので、休みたいとのこと。 
 まあ、それは止むを得ません。

 でも、「で、先生。 この振替日はいつにして頂けますか?」 と
なると、ちょっと(少なくとも小生の年代の人間は)ビックリします。
 これはきっと、予約日を急用でキャンセルしたのだから、振替の
予約をしようという感覚なのだと思われます。

 つまり、レストランや美容院の予約と大差ないわけで、そこには
師に教えを請う_などという意識は全く存在しないかのようです。
(こんな親ばかりではなく、「まだこんな家庭があったのだ」と
感心するような出来事もまた、いろいろ経験するそうですが)

東山植物園2

 妙な親に育てられた、素質たっぷりの子供たちが、その素質を
磨くべく、手ぐすね引いて待ち構える妙な師匠に入門したのでは
たまりません。
 想像するだに恐ろしい結果が待ち受けていることになります。

 そんなことを威張って言える程、子育てには自信があるのか_
などと咎めるのはタブーです。

 テレビの野球に文句をつけられなくなりますから。 (つづく)

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