茶事とは難題_3(泣きながら帰る危機)

kuma005

 これはいけない、早く重要な部分に辿り着かないと間に合わぬ
と焦る気持ちと、いや、本を読むなら最初から順序立てて読むべきだ
などというつまらぬ意地とが葛藤している内に、気が付けば茶会まで
残り一週間もありません。

 意地を張る余裕もなくなった小生は、カミさんに頼んで、本の中から
最重要な部分を選んでもらい、その部分だけ重点的に勉強し、
それ以外は無視するという大英断を、余儀なくされたのです。

 カミさんの選んだのは懐石(料理)の食べ方と、濃茶の飲み方で、
これらだけは知っていないと、途中で泣きながら帰ってくることになる
かもしれぬと脅されました。

 ところが、この時点で初めて気付いたのですが、食べ方よりも先に、
まず箸の使い方から直さねばならぬことが判明したのです。 

  my箸
   (写真は「正しい箸の持ち方」より)

 小さいころから小生は箸の持ち方が下手で、とてもみっともなくて
人前では箸を使えぬまま、この歳まで過ごして来ましたが、
今回は自分の恥だけでは済まぬような...。

 「あら、あの方変わった箸使いをされますわね」
「なんでも、お師匠さんのご紹介でいらした方らしいですわよ」
などという会話が聞こえてきそうで、いや実際にそんな会話は無い
としても、出席者の視線が全て小生の手先に注がれているような
妄想に怯えながら食事をするのではかないません。

  箸の持ち方
   (写真は「箸の持ち方」より)

 結局、茶会の当日まで、家での食事は全て今までの「変わった」
箸の持ち方ではなく、正しく矯正された使い方で食事をすることに
しました。

 変なところに力が入るので、食事を終えると大層肩が凝っている
ことに気付きますが、なにぶんにも何十年もかけて作り上げてきた
箸使いの型を数日で直そうというのですから、無理が出るのも
止むを得ぬでしょう。

 そしてこの時も、礼状騒動の時と同じような、ある種の感慨、
というか想念が沸き起こってくるのを、小生、半ば無意識に
感じていたのです。  (つづく)

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