というわけで、当時の小生は止む無く、TVから流される大して聴きたくもない邦楽のヒットパレードなどを何となく聴くことも多かったのです。
ところで、そのころの(若者向けの)邦楽は、和製フォークソングやらグループサウンズやらの時代でしたが、正直言って洋楽ファンからは日本の(若者向けの)音楽は一段下に見られていたという部分が、確かにありました。
例えば、洋楽からの一部をコピーした曲や、まるで洋楽の歌詞だけ日本語にかえたのではないかと思えるような曲が、邦楽の新曲として堂々とヒットしているのを聴けば、当時の(若者向けの)邦楽には程度の低い曲が多いと言われても_ まぁやむを得ないのではないかとも思います。
もちろん、こういった現象は一部のものであり、心ある関係者は眉をひそめていたことでしょう。後から考えると、その心ある関係者のなかに、当然ながら「これではいけない」というエネルギーが溜まっていた_ような気がするのです。
う~む、ちっとも話が進みません。この辺りでともかくキャンディーズに話を移しましょう。
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キャンディーズが活躍したのは、先に述べたような(「和製○○」などの)時代の終わりごろであり、小生はもう「おじさん」世代でしたから、「子供の歌」?に何の興味もありませんでしたが、それでも「年下の男の子」ぐらいは聴いたことがありましたし、「普通の女の子に戻りたい」という、ダントツの「流行語大賞」(もちろん当時はそんなものはありませんが)も知っています。
あと、メンバーはランちゃんスーちゃんミキちゃんの3人組であるということも多分知っていたと思います。
そして、以上が当時の小生のキャンディーズに関する知識のすべてでした。
さて、今から2年ほど前の話です。
ある時ネットで「YouTube」(インターネット上で誰でもいろいろな動画を見ることができるサービス)を見ていた時に、たまたまキャンディーズの動画が目に留まりました。確かNHKの紅白歌合戦で「年下の男の子」を歌っている(40年以上前の)動画です。
≪「年下の男の子」Dailymotionより≫
よく聴いてみると、なかなか良い歌じゃないですか~。
小生は、キャンディーズと言えば、まるで唱歌のような無害で教育的な歌をアイドルの3人組が「合唱」しているとか、もしくは、子供が背伸びをして大人の恋の歌なんぞを一生懸命歌っている_ といったようなイメージを持っていたのですが、どうもそうでもなさそうです。
それに_ 3人とも可愛いし、メインで歌っている「ランちゃん」は、何か不思議な魅力を持った女の子じゃないですか~。 ふ~ん。
というわけで、その後も時々YouTubeでキャンディーズを見かけると、ちょっと聴いてみようかな...というようなことが、ちょくちょくあったのでした。
「年下の男の子」の次に興味を持ったのは、「危ない土曜日」という曲です。
小生の愛読する、“あだち充”の「H2」という野球コミックに、ヒロインの”ひかり”の母がカラオケで「ぐるぐる危ない土曜日」と歌っている場面があり、(その指の形とともに)何となく頭に残っていたのですが、これがキャンディーズの歌でした。
実は、この曲を聴いたあたりから、小生のキャンディーズの楽曲に対するイメージは、決定的に変わったのです。
アップテンポな曲に切れの良い歌詞で、他の曲と違ってわりに激しく踊りながら、「スーちゃん」がメインで歌うのですが、サビのコーラスでは当時洋楽でよく使われたsus4をばっちりきめているじゃないですか~。(sus4とは不協和音の一種で、まぁ言わば少し高等なコーラス)
そして、もっと驚いたのはバックの演奏です。ノリノリのドラムにキレッキレの管楽器、縦横にドライブするベース_といった風で、少しやりすぎじゃないですかぁ。
≪「危ない土曜日」YouTubeキャンディーズ メモリーズより≫
しかもこれがキャンディーズ3枚目のシングル曲であり、そんな初期からこんな冒険的な曲を出していたということにも、びっくりします。(但しこのYouTubeの映像部分は後期のものです)
因みに初めてのヒット曲の「年下の男の子」は5枚目のシングルですから、それよりも前の曲だったわけです。
で、案の定この曲は全然ヒットせず、キャンディ―ズの一番売れなかったシングル曲となったのでした。
(この項つづく)
コメント
いやぁ~久しぶりひさしぶり・・・
マコからの連絡でkitapon閑話再開を教えてもらいました。
とても面白く読ませていただきました。
いつのまにか君の顔が浮かび、話しているように読み進みましたよ(^^ゞ
・・・昭和は遠くなったねぇ・・・
これからも楽しみにします(^^)v
気が付けば、前回の投稿から2年近くも経っていたのでビックリです。
年月の経つのは早いですね~(しみじみ)
今回の話の終着点は自分でもさっぱりわかりません。
再開嬉しいです。待ち望んでいました。続きを楽しみにしております。
猫足さん、コメントをありがとうございました。
「待ち望んで」頂けるほどの内容ではありませんが、今後共よろしく。